2016年04月22日発行 1425号

【東電3被告の裁判 速やかに開始を 刑事訴訟支援団などが東京地裁に要請 指定弁護士は証拠4千点を全面開示】

 強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人の刑事裁判について、福島原発刑事訴訟支援団などは4月5日、第1回公判期日を早急に開くよう東京地裁に申し入れた。

 検察官役の指定弁護士は起訴状提出(2/29)から半月後の3月14日、保管する証拠約4千点の一覧表を被告側に交付し、請求があり次第原則としてすべて開示する旨伝えたとプレスリリースしている。この意味について、申し入れ後、福島原発告訴団主催の地裁前行動でマイクを握った海渡雄一弁護士は次のように指摘した。

 「ほしい証拠があればいつでも全部見せる、証拠開示のためのややこしい手続きである公判前整理はいらない、ということ。非常に正しい方針だ。指定弁護士は長年にわたり刑事裁判の被告弁護人を務め、証拠を検察官だけが持ち、弁護側に渡さない≠フは日本の刑事裁判の最もゆがんだ点で、数々の冤罪を生んだと主張してきた。今回検察官役に回り、すべてを隠さずオープンにしても十分有罪はかちとれる、争えるものなら争ってみろ≠ニの確信のもと裁判を始めようとしている。未来の検察を先取りする、あるべき刑事裁判の姿だ。一刻も早く公判を開かせよう」

 福島からかけつけた告訴人からは「高校生が安倍首相に『国道6号線に聖火ランナーを走らせてほしい』とお願いさせられた。被害者を切り捨て、何もなかったようにオリンピックを迎えるのか」「再生する福島を盛り上げていくには東京電力こそ良きパートナー、協力し合おうという空気が広がっている。東電のすり寄りは許さない」「避難の権利の署名を集めていると、あなたたちのせいでいつまでも復興が進まないと非難される。本当の責任者を早く有罪にしてほしい」と裁判の早期開始を望む声が相次いだ。

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