2016年05月13日発行 号外
【2016参院選MDS(民主主義的社会主義運動)選挙政策/改憲阻止! 戦争・原発・貧困をなくそう!/沖縄新基地建設をやめ、軍事費削減、大企業・富裕層への課税で市民生活を救済!】
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7月に参議院選挙が行われます。市民が政治を変えるチャンスが来ました。私たちMDS(民主主義的社会主義運動)は、ここに選挙政策を発表します。政党や候補者に働きかけ、この政策をともに実現していきましょう。
アベ政治を終わらせよう
今回の参院選の意義は、安倍首相が任期中の「憲法改正」の発議を狙って自公と補完勢力で3分の2以上の議席をとるのを阻むことにあります。選挙の争点は、戦争法廃止とともに、世論調査でも高い関心を示す暮らし・雇用・社会保障を改善することです。アベ政治が破壊した平和と安全、安定した生活を取り戻し、すべての人に尊厳ある暮らしを保障することです。
沖縄の新基地建設をやめ、5兆円もの軍事費を削り、アベノミクスでもうけた大企業と富裕層へ課税すれば、最低賃金時給1500円や給付型奨学金の実現、保育・介護・社会保障の拡充はできます。アベ政治を終わらせる選挙です。
勝利のカギは市民と野党の共闘
4月に行われた北海道の衆院補選では、市民と野党の共闘の力が発揮され、大接戦を演じました。戦争法廃止の闘い、2000万署名に示された市民の運動が野党共闘を切り開きました。この力に確信を持ち、選挙に勝つためには、共闘実現から護憲候補を当選させる運動に多くの市民が参加することが大切です。選挙の傍観者とならず、ともに運動に参加しましょう。参議院選挙に続き衆議院選挙でも、市民と野党の共闘を拡大し、アベ政治に代わる一大潮流を作り出しましょう。
戦争、原発をなくし、1%の者に富が集中し99%の人びとに貧困と生活悪化を広げるアベノミクスを終わらせ、平和、安全、豊かな社会をともに取り戻しましょう!
政策スローガン
1 戦争法(安保関連法)を廃止しよう!
・集団的自衛権行使の閣議決定撤回
・沖縄の辺野古新基地建設中止
・宮古・八重山への自衛隊配備撤回
・南スーダンPKO(国連平和維持活動)、ジブチ基地から自衛隊即時撤退
・日米安保条約廃棄、アジアの非核化促進
・平和・平等・互恵の国際関係実現
・あらゆる戦後補償実現
・アジアをはじめ海外へ自衛隊を派兵させない
*戦争法施行により、真っ先に狙われているのが、アフリカの南スーダンに派兵されている自衛隊の「駆けつけ警護」―武器使用です。自衛隊が「殺し、殺される」局面に入ります。これをやめさせるため、戦争法廃止は待ったなしの緊急課題です。
*アジアへの侵略拠点化を狙う辺野古新基地建設は、現地の座り込み行動をはじめとするオール沖縄の闘いで工事中止に追い込みました。全国の連帯で計画撤回、普天間基地の即時閉鎖・撤去の実現へ。
2 改憲阻止、安倍内閣を退陣させよう!
*安倍首相は、9条改憲=国防軍の創設、人びとの権利を圧殺する「緊急事態条項」の導入を明言しています。自民党の改憲案は、基本的人権と個人の尊厳を否定し、企業の利潤追求を最優先するものです。憲法守らぬ安倍内閣にノーを突きつけ、退陣させましょう。
3 全原発を即時廃炉にさせよう!
・川内原発の即時停止
・再稼働の審査・準備即時中止
・原発を輸出させない
*東日本大震災から5年。その傷がいえないうちに熊本大地震が起きました。大地震の活動期に入っていることは明らかです。地震列島に原発はきわめて危険です。ただちに廃炉にしなければなりません。
4 低線量被ばくから健康と命を守ろう!
・希望するすべての人に放射能健診実施
・福島県の避難地域解除撤回
・避難者への住宅支援継続
・すべての被災者に損害賠償実現
*福島第一原発事故によって全国にまき散らされた放射性物質は、内部被ばく、低線量被ばくをもたらしています。福島では18歳以下の甲状腺がんが166人。これは健康被害の氷山の一角です。これから健康被害が増えます。健康を守る放射能健診が必要です。放射能汚染地域に帰還を強要する避難地域解除、賠償打ち切りをやめさせましょう。
5 青年の貧困をなくそう!
・最低賃金全国一律時給1500円実現
・非正規雇用をなくし安定雇用実現
・正規と非正規の均等待遇を実現
・「奨学金」(学資ローン)返済を減免
・給付型奨学金を実現
・高等教育まで学費無償化実現
*実質賃金は下がり、非正規雇用は増え続け、年収200万円以下のワーキングプアは1140万人に達しました。貧困・格差をなくすには雇用と賃金の底上げが必要です。期間の定めのない安定雇用と「同一価値労働同一賃金」へ。あまりに低い各都道府県最低賃金の加重平均時給798円を改め、全国一律1500円を実現させましょう。
*大学生の2人に1人はローンである貸与制「奨学金」を借り、卒業時に数百万円の借金を背負います。就職先が低賃金・不安定雇用なら返済は不可能です。返済の減免、給付型奨学金、高校無償化、さらに学費の高すぎる大学・専門学校の無償化が必要です。
*無理な要求ではありません。世界では給付型奨学金が当たり前。最賃も米ニューヨーク州で15ドル(約1680円)に上げる法案が可決など、日本の低さが異常なのです。
6 子どもの貧困をなくそう!
・「子どもの貧困対策大綱」見直し、貧困率削減の数値目標を明記
・子ども手当の復活
・教育・給食・医療の無償化
*2013年、子どもの貧困対策法ができ大綱が策定されました。ですが、貧困率削減の数値目標も具体的な経済支援もないため実効性がありません。生活保護支給水準切り下げをやめさせ、数値目標を決め、達成させる予算配分へと転換させる必要があります。
7 介護保険の国費負担を倍増させよう!
・利用者負担の軽減
・介護労働者の大幅賃上げ
*介護労働者不足の原因は、全労働者平均賃金の6〜8割という低賃金です。保険料は、介護保険スタートの2000年は2911円、今は4972円と倍増の勢いです。都市部では6000円を超えています。さらに利用料が2割、3割負担となれば、サービスが使えない悲劇に。財源のうち保険料が50%、国25%、県と市が25%負担という制度設計はすでに破たんしています。国の負担を5割とし、保険料負担を半分にするなどの抜本的改革を行い、報酬単価を引き上げて賃上げの財源とすることが必要です。
8 待機児童を解消させよう!
・ゆきとどいた公立保育所増設
・正規雇用保育士の増員、賃金増額
*「保育園落ちた…」で社会問題となった待機児童問題は、女性の社会進出に伴う保育需要の増加に比べ、保育所を増やすペースが遅いのです。それは、保育士の資格を持った人がたくさんいるにもかかわらず、その賃金は全産業平均年収より166万円少ない322万円ときわめて低く、人手を確保できないからです。公立保育所を減らし、保育の民営化と職員の非正規職化を進めたからです。公立保育所と正規雇用保育士の拡大が待機児童解消に必要です。
9 熊本大震災を民主的に復興させよう!
・公務員削減・民間委託をさせない
・政府の責任で防災予算拡充
・避難計画を見直し
*耐震基準を満たさない建物や公共施設、避難と復興に足りない公務員―これらは、みな自治体リストラを進めた自民党政治の弊害です。アベ政治に任せていてはこの国の安全はありません。
10 政策実現の財源を確保しよう!
・大企業の内部留保350兆円と富裕層へ課税
軍事予算5兆円を削減
タックスヘイブン(税金回避地)に税逃れできない制度創設
*アベノミクスで貧富の差は極端に拡大し、税金の不公平は明らかです。大企業減税してもため込むだけで賃金にも消費にも回りません。富める者から税を取る応能負担原則にのっとり、累進課税の税率を元に戻せば4・6兆円の財源ができます。富裕層課税、利子・配当課税の税率アップ、内部留保課税を行えば、さらに増収が見込まれます。消費増税は必要ありません。
*パナマ文書が明らかにした通り、税金をのがれる大企業、富裕層が多くいます。これを取り締まる制度を作れば増収になります。
*人殺しのための軍事費を大幅削減し、市民生活にまわしましょう。沖縄辺野古基地建設で今年度約1900億円、完成までに約1兆円。米軍への思いやり予算は今後5年間で9465億円。1機約210億円のオスプレイ17機の購入費は2021年度までに3600億円―などなど。これらを削減しましょう。
11 TPP(環太平洋経済連携協定)国会承認せず、廃棄しよう!
*TPPは、農業だけでなく、人びとの命・健康・労働の規制を破壊しグローバル企業のみを保護します。交渉参加国民衆はみな反対。阻止は可能です。
12 男女平等の社会を実現しよう!
・選択的夫婦別姓の実現
・性暴力被害者の支援
・クオータ(quota)制の実現
・女性への暴力・虐待・DVをなくす
*クオータ制とは、政策決定の場の男女の比率に隔たりをなくす仕組みとして、国会・地方議会の議員・議員候補者、国・地方自治体の審議会や公的機関の議員・委員などの人数を一定の割合で割り当てるもの。政治の場で男女平等を切り拓きましょう。 |
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