2016年06月03日発行 1430号

【東電3被告を裁け― 直ちに公判を 汚染水漏れ告発 福島検審は起訴議決を】

 福島原発告訴団は、放射能大量放出犯罪の巨悪に法の裁きをと、これまで3件の告訴・告発を行なってきた。

 「2012年告訴」では、東京第五検察審査会の2度の起訴議決を受け、東電元幹部3人を被告人とする刑事裁判が始まることとなった。汚染水漏れの責任を問う「2013年告発」では、福島地検が今年3月、被疑者全員を不起訴処分としたため、福島検察審査会に審査を申し立てている。国の旧原子力安全・保安院幹部らに対する「2015年告訴」では、東京第一検察審査会が4月28日、不起訴を相当とする議決を出し、国の刑事責任を追及する司法上の機会は失われた。

 告訴団と福島原発刑事訴訟支援団は5月21日、都内で集会を開き、東電3被告の裁判の一日も早い公判開始と汚染水事件の起訴を強く求めた。

 告訴団の武藤類子団長は「東電は原子炉を囲む遮水壁の建設を先送りし、汚染水を流出させた。2011年6月に計画された地下水対策を実施していれば、現在の深刻な汚染水問題はなかった」と述べ、「告発人のみなさんの福島検察審査会追加申し立てを募集している。5月中に委任状の提出を」と呼びかけた。第2次申し立ては6月22日。7月18日(海の日)には「これ以上海を汚すな!いわき集会(仮)」を開く。

 刑事訴訟支援団の佐藤和良団長は「検察官役の弁護士が証拠をすべて開示し、公判前整理手続きを経ることなく第1回期日を指定するよう要請したのに、東京地裁は同手続きを行うと決めた。公判開始まで1年はかかる」と批判。告訴人約1万5千人のうち支援団に入会したのはまだ2600人と明らかにし、「憲法が福島と沖縄の手前で立ち止まっている日本のあり方を変えよう」と支援団加入を訴えた。汚染水告発事件についても「五輪招致の『アンダー・コントロール』発言で2億3千万円使った。馳文科相が『汚染水の問題で情報を得るため』と白状している」とその意義を指摘した。



福島県南相馬市の避難指示解除をするな

 5月22日、福島県南相馬市の避難指示解除に向けた説明会に300人を超す地元住民が参加し、口々に解除反対・延期を訴えた。(詳報次号)

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