2016年06月10日発行 1431号

【1431号主張 デマで市民はだませない 安倍を倒す参院選勝利へ】

広島、沖縄の怒り

 伊勢志摩サミットが終わった。安倍首相は、最も重視した経済政策で各国首脳と合意に達することができなかった。「安倍氏が説得力のない(リーマン・ショックの)2008年との比較を持ち出したのは、安倍氏の増税延期計画を意味している」(英フィナンシャル・タイムズ紙)。会見での安倍発言が姑息な選挙対策にすぎないことは世界からも見透かされた。

 原爆投下の謝罪・加害責任に言及しないオバマ広島訪問の政治利用や、沖縄での女性殺害事件に関する閣僚らの「最悪のタイミング」発言。それらは、被爆者や米軍基地による被害者を切り捨て葬り去る戦争国家の最も冷酷な姿を市民に見せつけた。

 来る参院選は、このような安倍政権に審判を下し、打倒する闘いの場となる。

嘘で塗り固めた自民

 安倍は、参院選で市民をだまし、票をかすめ取るため、次々と小手先の選挙対策を打ち出している。消費税の10%増税延期や給付型奨学金創設検討はその典型だ。安倍は、給付型奨学金の財源の提示を選挙後に持ち越すことを狙っており、選挙で勝てば反故にすることも平気だ。

 安倍・自民党は2014年総選挙時の公約で何を語っていたか。

 「いかなる事情よりも(原発の)安全性を最優先」するとしながら、史上初めて震度7を2回観測した熊本大地震の後も川内原発を稼働したまま市民を危険にさらしている。「待機児童の解消を目指します」としながら、保育園落ちた≠フ親たちの叫びを無視し、広範な市民の怒りを引き起こした。東日本大震災被災者に「1日も早く恒久的な住宅に入っていただけるよう住宅再建支援」をするとしながら、岩手、宮城、福島3県だけで今なお6万人近くが仮設住宅で暮らす。TPP(環太平洋経済連携協定)に関しても、「重要5品目が守られない場合は離脱」との国会決議にすら反し、参院選後の協定批准を狙う。

 選挙の時だけ有権者に受けのよい公約を並べたて、選挙が終われば平然と破り捨てる。自民党の常套手段だが、安倍の嘘とでたらめは歴代政権と比べても際立っている。

 その結果起きていることは、まともな食事も取れない貧困、保育所が見つからず将来を奪われる子育て世代、死ぬまで働かされるブラック企業の蔓延、危険な原発再稼働と被曝の強要、若い女性の命が虫けらのように奪われる米軍犯罪だ。1%だけを儲けさせ、99%の市民すべてを明日をも知れない不幸のどん底に突き落とす安倍政権を打倒しなければ、日本に未来はない。

野党共闘と市民の闘いで

 戦争法反対の闘いを契機に広がってきた社会変革を求めるうねりは、ついに参院選全1人区で野党共闘を実現させた。前哨戦として県議選(6/5投開票)が闘われている沖縄では、女性殺害事件を受け6・19県民大会が開かれる。

 改憲・戦争・基地・貧困・原発に反対し、3分の2以上を狙う安倍の野望を阻み改憲反対候補の勝利を勝ち取る。争点はかつてなく明確だ。

 MDSはそのために全力を挙げて闘う。6・5大行動―6・6中央行動、6・19県民大会に結集し、参院選勝利で安倍を倒そう。

 (5月28日)
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS