2016年06月10日発行 1431号

【議会を変える 市民と変える 「自分のまちを考える市民は宝物」 大阪府交野市議 松村ひろ子】

市長戦略で開発計画

 今年1月に交野(かたの)市長が発表した「市長戦略」において、「JR星田駅北エリアと星田駅周辺のまちづくり」として、交野市が市税約30億円を投資し、46ヘクタールの土地区画整理を進める施策が打ち出されている。

 区画整理をした土地には、大型商業施設や住宅地をつくり、まちの活性化につなげるとしている。

 しかし、今後少子高齢化により市内人口は減少する見込みであるのにもかかわらずこれまで同様の大型開発を進めて良いのか、また、10年間で市内の緑を増やす予定基準を定めている環境基本計画との不整合をどうするのか、など様々な問題をはらんでいる。

 さらには、今年すでに開発のために約2500万円もの予算がつけられているが、地域住民・商業者に何の説明もないことで市民には不満が募っている。

市民の声受け学習会

 そんな声を市民から受け、都市計画を専門とする奈良女子大学・中山徹教授を招いて星田北エリアの開発について学習会を開催した。

 質疑応答では、「第二京阪道路建設で多くの土地が塩漬けになった。今回も保留地が売れず最終的に市が買うことになるのではないか」「事業費の見直しと市民説明の場を設けるべきだ」など、質問よりも開発に対する市民の反対意見が多く挙げられた。

 そして、教授の最後の一言が胸を打った。

 「自分のまちのことを考える市民は、そのまちにとっての宝物です」

 結局、この宝物を生かすも殺すも行政次第なのである。市民の監視を恐れて口を閉ざす行政ではなく、市民の目が行き届くように情報を公開する開かれた行政を目指して、これからも市民とともに働きかけていきたい。

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