2016年06月10日発行 1431号

【ZENKO沖縄連帯ツアー 女性殺害事件への抗議をともに】

 毎月沖縄を訪れているZENKO連帯ツアー。5月は米軍属女性殺害事件への県民の深い悲しみと怒り、抗議が渦巻くただ中に行われた。参加者の報告が寄せられた。

悲しみと憤りの2千人 暴言・維新橋下も安倍も許さない

 5月22日、在沖米軍司令部前での「事件被害者を追悼し、米軍の撤退を求める」緊急集会に私たちも参加した。

 スピーチやコールはなく、ゲート前両側の歩道を静かに行進。基地に向かってプラカードやこぶしを掲げる。叫びたい思いを抑え悲しみと憤りを2千人の参加者が共有した。

 子どもを連れた家族も多く、若い人たちからは「人を殺す軍隊の訓練を一度でも経験したら、それがよみがえってくるという証拠だ」との意見も出されていた。基地ある限り何度も繰り返され「いつも女性が標的にされる」事件に、県民の多くが「もう我慢の限界」と怒りを高まらせている。

 集会を呼びかけた女性団体は「軍隊は構造的暴力組織であり、平時と戦時とを問わず、人間の安全を保障しない」とし「沖縄に暮らす人々の真に安全な社会を実現するため、沖縄からすべての基地・軍隊の撤退」を要求した。「全基地撤去」のたたかいしかないことを確信する行動だった。

 「事件」を受け、前大阪市長・おおさか維新の会の橋下は、13年に掲げた「米軍による性犯罪の防止のために風俗業の活用」を再び持ち出した。「『慰安婦』は必要」の暴言同様、またも、戦争遂行のために女性を犠牲にする人権蹂躙(じゅうりん)の発言を許すわけにはいかない。安倍首相も「再発防止」要請だけで、新基地工事の再開を狙う。こんな安倍政権・おおさか維新を何としても倒さなければ、と決意を固めたツアーであった。

(平和と平等を拓く女たちの絆―OPEN・山本由子)


しなやかにしたたかに 諦めず連帯し闘い続ける

 ツアー3日目の5月23日は辺野古の基地ゲート前での座り込みに参加した。

 ゲート前では、米軍属女性死体遺棄事件への抗議行動が行われていた。リーダーの山城博治さんは「米軍(関係の)Yナンバーの車両を止める行為は初めてのこと。市民は怒りの限界を超えている」と話した。ゲート前には約百人。座り込み行動は、しなやかにしたたかに諦めず行動するのみ。機動隊の行為には逆らわず、何度排除されても機動隊の撤退後にすぐ元の位置に戻り抗議行動を開始する。

 ゲートの境界線を挟み、内に警察・機動隊、外に市民が集まり、米軍車両通行阻止をめぐるせめぎあいが続く。水鉄砲、マイクなどでの抗戦も行われた。

 機動隊の撤退、高江の抗議行動報告があれば拍手や踊りが飛び出すなど抗議行動は迫力満点。一方、機動隊の側は阻止の人壁となり、無言、無表情で対照的だった。

 沖縄県民を分断し、闘い続けなければならない状況をつくりだす政策は絶対許されない。断固、沖縄全基地の撤退、辺野古新基地建設工事完全中止、戦争法廃止を世の中に叫び続けよう。雨の日、風の日、暑い日差しの照りつける中でも諦めることなく闘い続ける沖縄県民と連帯してともに闘い続けていく思いを強くした。

(ZENKO大阪・中島直子)

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