2016年06月17日発行 1432号

【1432号主張 アベ政治を断罪する参院選 改憲反対派を勝たせる】

 6月1日通常国会が閉会した。安倍が年初以来狙っていた解散・衆参ダブル選から一気に改憲への思惑通りには進まなかなった。市民の力が参院32の1人区すべてで野党共闘を実現させたことは安倍の手足を縛った。さらに6月5日、総がかり大行動は国会前4万人をはじめ全国に広がり、参院選前哨戦である沖縄県議選も辺野古新基地反対、オール沖縄の翁長県政与党が圧勝した。市民の闘いの前に安倍政権は行きづまっている。

総辞職すべき失政

 「再び延期することはない」と断言していた来年4月からの消費増税も再延期の判断をせざるをえなかった。当然だ。アベノミクスは失敗し、増税すれば消費は一層冷え込む。深刻な貧困層の生活破壊は限界を超える。本来、責任を取り総辞職すべき失政だ。

 ところが安倍は、増税延期について「参院選で国民の信を問う」と12年衆院選勝利の再現を狙う。加えて、社会保障施策財源が確保できず低年金者への給付や介護保険料軽減などの実施も困難、と社会保障削減を正当化する。

 命を削る社会保障削減は直ちにストップだ。消費増税は延期でなく中止し、消費税は廃止すべきだ。648項目もある大企業・富裕層への優遇税制是正で約30兆円の財源捻出可能という試算(「不公平な税制をただす会」)もある。このカネを、給付型奨学金、待機児童解消、被災者生活保障、最低保障年金制度など市民生活にまわせと求めよう。

改憲策動の粉砕へ

 参院選は6月22日公示、7月10日投開票となった。

 安倍は「参院選改選過半数を目標」と表明。選挙争点から改憲を隠しつつ、補完勢力「おおさか維新の会」「日本のこころを大切にする党」の議席をあわせて改憲案を発議できる3分の2以上をもくろむ。この改憲連合に3分の2獲得を許せば改憲発議へフリーハンドとなる。絶対に阻止しなければならない。

 自民が65議席を得た13年参院選と比べ状況は一変した。戦争法反対運動の力を基礎に、全国32の1人区で野党統一候補が自民候補を破り、改憲反対候補の議席を増大させることで、安倍の野望は打ち砕ける。改憲派を粉砕しよう。

闘いで勝ち取る

 やるべきことは明確だ。野党共闘候補をはじめ改憲反対・安倍打倒をめざす予定候補への支持をあらゆる場で働きかけよう。野党共闘実現を勝利に結実させなければならない。選挙に行こうと言うだけで、諦めさせられていた人がすぐに投票所に足を運ぶことはない。だが、地域で生活がよくなった実感を持つ市民は皆無だ。その一人ひとりに、争点隠しとアベノミクスのデマを暴き、不公平税制と税金の使途を転換する政策と展望を伝えることが必要だ。

 改憲に反対し、より良い暮らしを求める願いを投票行動へとつなげよう。MDSは、比例代表では福島みずほ予定候補、選挙区では、東京・山添拓、千葉・小西ひろゆき、神奈川・あさか由香、滋賀・林久美子、京都・大河原としたか、大阪・わたなべ結、兵庫・みずおか俊一、沖縄・イハ洋一の各予定候補を重点推薦し、ともに力を尽くす。

 地域で街頭で一人ひとりと対話し支持を広げていくことが安倍打倒の道だ。アベ政治を終わらせよう。

 (6月4日)
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