2016年06月17日発行 1432号

【参院選比例代表 福島みずほ講演(下)/市民運動弾圧の安倍DV政権打倒へ/福島みずほさんとともに】

 前号に続き、参院比例区予定候補の社民党・福島みずほ参議院議員の報告要旨を紹介する(まとめは編集部)。

貧乏人が戦場に

 経済的徴兵制について話したい。今徴兵制はないが、経済的徴兵制は始まっています。

 経済同友会の前原金一さんは文科省の検討会で「奨学金を返せない若者は、自衛隊で1年か2年インターンをしたらどうか」と言った。他人の住民票は正当な理由がないと見られないが、唯一見ているのが自衛隊・防衛省です。地方自治体施行令と自衛隊法、自衛隊法施行令を組み合わせて、「自治体は必要な資料を提供することができる」ことを根拠にすべて閲覧を認めている。18歳、15歳の若者の情報を提供している自治体は75%に及ぶ。政府は明らかにしないが、ダイレクトメールを送っています。

 中学生、高校生が狙われています。秋田では母子家庭の中学生に勧誘が入っている話を聞きました。「神奈川、横須賀に全寮制の高校がある。高校いけるよ」と勧誘する。誰が戦場に送られるのか。大金持ちの子も国会議員の子も戦場にはいかない。米国では、軍に入れば奨学金の免除の特典を一部認めています。

 哲学者サルトルは「金持ちが戦争をし、貧乏人が死ぬ」と言ったが、その通り。格差拡大と貧困は戦争の温床です。経済的徴兵制は許さない。

上から目線の安倍

 自民党改憲案は説教たれたれ憲法=B9条を改悪し国防軍とする。世界中で戦争ができる。国会の事前承認も必要ない。緊急事態宣言条項をどさくさまぎれに改正。安倍首相や菅官房長官もお試し改憲≠ニ言っているが、とんでもない。国会の立法権を取り上げて、内閣限りで法律がつくれる。ナチスドイツの国家授権法ではないかと質問したら、安倍総理は「批判が度を過ぎている。批判は慎んでもらいたい」。自民党に投票したら、とんでもない所に連れて行かれることを多くの人と共有したい。

 国会の質疑で「今日の天気は曇りでしょうか」と聞いても総理は「おとといは晴れだった」と答える。「曇りと侵略の定義は専門家の判断に任せる」「曇りかどうかは最高権力者である私が決める」と言う。総理の下に憲法があるのではない。最高権力者は国民だ。憲法がわからない総理は退陣せよ。どこまであんたは上から目線なのだ。

洗脳内閣倒せ

 この洗脳内閣は真逆の言葉を使う。積極的戦争主義だから「積極的平和主義」と言う。一握りのための政治をやっているから「一億総活躍」とわざわざ言う。女性の使い捨てだから「女性の活躍」と言う。この内閣はDV政権、パワハラ政権だ。沖縄がいくら嫌だと言っても殴り続ける。DVの弁護活動をやってきた経験から言えば、DVは貶(はずかし)め、蔑(さげす)み、暴力で力を奪い、孤立化させ、洗脳し、諦めさせ、この人に従うしかないと思わせる。総理の「景気回復この道しかない」と言うのも、DV男っぽいと思わせる。

 参議院選挙までは何だってやる。年金困窮者に3万円ばらまく。買収ではないか。

憲法変えさせない

 年金積立金。どれだけ損をしているか。6兆円とも。年金積立金の半分が株に投入された。株に占める割合は12・7%。儲かっていればやめられず、損をして引き上げれば株価は大暴落。いくら損をしたか明らかにすべきだ。4半期ごとに報告することになっているが、7月29日に発表するという。参院選後だ。

 南スーダンPKOの駆けつけ警護。昨年は、この4月にやると言っていた。ところが、参院選後に延ばしている。

 DV夫は結婚する前は、ちやほやし、ネックレスを買ってくれ、御馳走もしてくれる。結婚後、籍を入れて逃げられないとなったら殴り始める。

 この内閣は、参院選前は選挙に勝つためになんでもやる。万が一勝ったら襲いかかってくる。この内閣が勝ったら、地域運動、社会運動、労働運動、市民運動に対する弾圧が始まるのではないかと本当に恐れている。だから、勝たなくてはならない。

 選挙区は護憲の候補を、全国区比例区には福島みずほが挑戦するつもりです。安倍総理の天敵、福島みずほ。憲法が変えられるかもしれない国会で、変えさせないために頑張り抜きたいと。厳しい選挙だが、これほど国会に残りたいと思うのも初めて。全身全霊を賭け頑張る決意です。ともに頑張りましょう。 (終)

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