2016年07月01日発行 1434号

【1434号主張 沖縄 哀悼と怒りの6万5千人 改憲・基地ノー 命守る参院選】

怒りは限界超えた

 6月19日、元米海兵隊員に強姦・殺害された被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める沖縄県民大会が開かれ、6万5千人が大結集した。女性の父親は「次の被害者を出さないためにも、全基地撤去、辺野古新基地建設に反対。県民、名護市民として強く願っています」とメッセージを寄せた。会場は追悼の黒色を身にまとった参加者で埋め尽くされた。深い悲しみが広がり、思いは一つとなる。一斉に掲げられたプラカードは「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」。これが沖縄の民意だ。

 翁長(おなが)沖縄県知事は「日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減を含む基地の整理・縮小、辺野古新基地阻止に不退転で取り組む」と決意を表明。決議文にも(1)日米両政府による遺族と県民への謝罪と完全な補償(2)在沖米海兵隊の撤退と米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去(3)日米地位協定の抜本改定が明記された。

 県民大会に先立ち、沖縄県議会は同趣旨の抗議決議と意見書を全会一致で可決(自民は退席)。海兵隊の撤退要求が決議されるのは初めてだ。県内の全市町村も事件に対する抗議決議などを採択した。ところが、安倍政権の意を受けた自民、公明、おおさか維新などは大会に不参加。県民の思いに寄り添うことさえ拒み、高まる全基地撤去の声を無視した。

アベ政治から命を守る

 安倍内閣はなお「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返す。だが、翁長知事の訪米要請活動などが功を奏し、米国政府の16年度国防予算を決める国防権限法からは「辺野古が唯一」の文言は削除されている。国地方係争処理委員会は、知事による辺野古埋め立て承認取り消し処分の撤回を求める国の指示の審査で国を勝たせる決定ができず、判断を棚上げせざるを得なかった。政府のシナリオは狂った。日米地位協定を見直すべきという意見は全国でも8割を超える(6/17時事)。安倍は追い詰められている。

 新基地建設阻止、戦争法廃止、改憲阻止は、アベ政治から命を守る一体の闘いだ。

 参院選の最大争点である改憲について、自民党は公約の末尾に申し訳程度に記載するだけで、公明党の公約は触れてさえいない。公明党の立候補予定者のうち改憲賛成はゼロで反対が3割という(6/19共同)。改憲を前面に押し出せば不利と考える安倍・自公は、ひた隠しにして選挙後の改憲発議を狙う。新基地を建設し、戦争法を発動させ、緊急事態条項や国防軍創設を盛り込む改憲で、戦時体制づくりを進める安倍の策動を絶対に阻止しなければならない。

改憲許さぬ審判へ

 今こそ、全国から沖縄と連帯するときだ。県民大会に呼応する集会・行動は41都道府県69か所で開催され、国会前には1万人が結集した。
 現地の闘いに参加するとともに、地域で署名を集め、地元議会に請願・陳情を行い、参院選で勝利することが沖縄への連帯となる。野党共闘のスタートは翁長知事を誕生させたオール沖縄だった。6月22日、参院選が公示される。新基地、戦争、改憲を許さぬ候補を沖縄をはじめ全国で勝利させ、安倍内閣打倒へと進もう。

 (6月19日)
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