2016年07月01日発行 1434号

【DVD紹介/君は誰に銃口を向けるのか―殺し、殺される戦争法はいらない―/イラク平和テレビ局in Japan 36分 頒価2000円/戦争法の危険性を明らかに】

 安倍政権は、国会周辺―全国に広がる大規模な反対デモも踏みにじり、2015年9月19日未明、戦争法案を強行採決した。しかしその後も、全国の運動は途絶えることなく、戦争法廃止署名も1200万筆以上集められている。

 7月参院選を前に、安倍政権、自民党・公明党は戦争法と憲法改悪が主要な争点でないとごまかすが、選挙が終われば南スーダンで戦争法の発動・武力行使を狙っている。参院で3分の2の議席を確保すれば改憲発議に踏み出すことも明らかだ。戦争推進の野望を暴き、打ち砕くためにぜひ映像を役立てていただきたい。

 映像はまず、戦争法とは何か、なぜ憲法違反なのか、そして集団的自衛権(日本が直接攻撃されずとも政府の勝手な判断で海外で戦争する)の狙いを暴く。戦争法の本性を事実で示す。

 自衛隊は初の海外基地となるジブチから出撃体制を整備し、南スーダンに派兵中の自衛隊PKO(国連平和維持活動)部隊が武力行使=戦争を遂行する準備を進めている。狙いはアフリカ有数の産油国、南スーダンの石油利権確保だ。

 海外派兵と戦争が何をもたらすのか。経験者が発言する。日本の自衛隊が参加したイラク占領もまた石油利権確保のためであった。元米海兵隊員でイラク占領に従軍したIVAW(反戦イラク帰還兵の会)メンバーたちは、グローバル資本の利益のための軍隊と戦争がいかに人間性を破壊するかを語る。

 海兵隊では、ひたすら相手を「殺せ、殺せ、殺せ」と叫ばされ、叩き込まれ続けた。彼らの多くは貧困から逃れるために軍隊に志願し戦場に送られた。日本の若者にも経済的「徴兵制」の動きが強まっている。「殺し、殺される」国作りが進められているのである。

 一方、占領に屈することなく権利獲得のために闘い続けてきたイラク石油労働者や、自らが加担させられた侵略戦争の実態を勇気を持って告発し反戦運動に立ち上がったIVAWの若者たちが登場する。この人たちと共に、戦争法を廃止する運動を推進していかなければならない。

 戦争と改憲を狙う自民・公明・おおさか維新に参院選で打ち勝とうと奮闘する市民を勇気付け、展望を示す映像である。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)

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