2016年07月15日発行 1436号

【東京電力・関西電力株主総会で訴え/原発から完全撤退・再稼働するな】

東電/2011年以来最短/右翼株主「早期再稼働」を提案

 今年4月に持株会社に移行し社名変更した「東京電力ホールディングス」の株主総会が6月28日、国立代々木競技場第1体育館で開かれた。

 広瀬直己社長は、事故当時の社長が「炉心溶融」の語を使わないよう社内に指示していた問題で「ご迷惑、ご心配をおかけした」と陳謝する一方、柏崎刈羽原発の再稼働について「当社の重要な経営課題であり、新規制基準審査への対応、さらなる安全性対策を着実に進める」と推進する方針を鮮明に打ち出した。

 脱原発・東電株主運動は株主303人により9つの議案を提案し、「原発からの完全撤退」「汚染水の海洋放出の禁止」「役員・社員の廃炉作業への従事」などを求めた。取締役会は「原発は国のエネルギー基本計画で『重要なベースロード電源』と位置づけられている」として反対。株主提案はすべて否決された。

 総会には「しきしま会」などの右翼団体が「日本の原発は安全」「原発利用で電気代値下げしろ」のスローガンを掲げ、大挙参加。「二酸化炭素の排出を削減するため原発の早期再稼働を」と求める議案を提出した(少数否決)。

 総会所要時間は3時間3分で、6時間9分かかった11年以来最短。参加株主数も11年の9309人から1321人へと激減した。


関電/放射能の健康被害無視」/「ベースロード電源」論を繰り返す

 6月28日、関西電力株主総会会場前で抗議と株主へのビラまきを行いました。

 雨が降ったり止んだりの中、「関電は原発経営から脱却せよ!」「9%の筆頭株主の大阪市は速やかな廃炉を求めている。株主の皆さん、提案を採択してください」「福島での小児甲状腺がんが172人に増えたのは放射能の影響だ」「熊本地震は気象庁が今後も予測がつかないといっている。いますぐ川内原発を止めて点検。高浜、伊方原発を動かすな」「高浜原発1、2号機延長認可で2600億円の投資。株主と消費者に負債が転嫁される」などと訴えました。

 昨年は関電関係者に取り囲まれ妨害されたことを思えば、うそのような(当たり前か)平穏さ。でも、体裁だけでした。結局関電は脱原発の提案などはすべて否決しました。自治体要請でもしばしば出てくるキーワード「政府が原発をベースロード電源と位置づけている」ばかりで、これが大問題です。

 放射能被ばく、健康被害を世論に大きく知らせていくことと、やはり安倍政権を倒さないとだめだという思いを強くした株主総会でした。

(全交・関電前プロジェクト 秋野恭子)

 
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS