2016年07月22日発行 1437号

【1437号主張 共闘のいっそうの強化を 改憲阻止、安倍打倒に進もう】

 改憲勢力が今参院選で3分の2の議席をとった。そのことは市民が改憲を支持したことを意味しない。自公与党は、メディアを使った徹底した争点隠しのもとで議席をかすめ取ったのである。

沖縄と福島で野党勝利

 政府広報紙である読売は「与党大勝」という。しかし、安倍政権の重要政策を執行する上で絶対必要な選挙区で自民は敗北している。沖縄と福島である。

 安倍政権の戦争・改憲路線のかなめ、辺野古新基地建設への沖縄県民の審判は完全に下された。伊波洋一さんの圧勝は、辺野古新基地建設を断念に追い込むことができる確信を沖縄県民、連帯する全国の市民に抱かせた。また、福島での閣僚の敗北は、福島原発事故に対する安倍政権の対応と方針への鋭い批判の結果である。参院選と同時に行われた鹿児島県知事選での川内(せんだい)原発停止を訴える三反園訓(みたぞのさとし)さんの当選は、原発再稼働への強い批判の結果である。

 野党共闘のもと東北のほとんどの選挙区で野党が勝利した。明らかに安倍が進めるTPP(環太平洋経済連携協定)への強い批判によるものだ。

 安倍内閣の戦争・新自由主義路線は支持されていないのである。

共闘の徹底こそ

 ではなぜ安倍内閣への批判にもかかわらず、野党が全国で勝利し過半数の議席を獲得することができなかったのか。

 野党共闘の不徹底さが根本である。比例区、複数区でもさらに共闘を徹底・発展させ、改憲・新自由主義路線と対決することができれば完全に勝利できた。神奈川、大阪、兵庫の選挙区をあげるだけでも共闘が徹底したならば3分の2は阻止できた。

 安倍首相は7月10日夜、「いよいよ憲法審査会に議論の場が移っていって議論し、どの条文をどのように変えていくかということに集約されていくんだろう」と述べ、改憲を進める立場を表明した。選挙の争点化を避けて終われば改憲を言う、まさに秘密保護法、戦争法と同じ手口である。しかし、改憲勢力内部でも9条改憲については今のところ意見の一致をみていない。公明・おおさか維新は「慎重」な態度をとっている。改憲反対勢力が改憲阻止運動を強力に進めれば阻止できる。

 安倍は、共闘は野合で効果なかったと宣伝しようとしている。民進党右派を取り込み、共闘を解体し、改憲を多数で進めようとしている。これに対し、地域で全国で改憲阻止の共闘を一層強化し、衆議院選挙での共闘実現をめざさなければならない。

 また、参院選で争点回避のために自民が言った政策、保育士・介護士の待遇改善、給付型奨学金の創設、同一労働同一賃金を実現させなければならない。さらにその財源を法人税、金持ち課税強化で調達しなければならない。この闘いの中でアベノミクスの冷酷さ、それが1%のための政策であることが市民誰の目にも明らかになるだろう。

戦争・改憲止める

 我々MDSは参院選を全力で闘った。とりわけ安倍の天敵&沒みずほさんを当選させる一翼を担うことができた。この力に確信を持ち、安倍の戦争・改憲・新自由主義路線を徹底的に批判し、安倍内閣打倒に進んでいかねばならない。

 (7月11日)
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