2016年08月19・26日発行 1441号

【最低賃金UP!セクハラNO!日韓若者大行動 最低賃金全国一律1500円、給付型奨学金実現を】

 7月31日、2016ZENKOin大阪分野別討議「最賃UP!セクハラNO!日韓若者大行動」が開催された。韓国からの参加者とともに日韓両国の最低賃金引き上げの運動、権利侵害・パワハラ・セクハラと闘う方針が議論された。

若者を苦しめる低い最低賃金

 昨年のZENKOに続き、青年ユニオン委員長のキム・ミンスさんが韓国での最低賃金闘争を報告した。

 「青年ユニオンは設立時から最低賃金を重要視してきた。民主労総の推薦を受け、昨年から最低賃金委員会の労働者側委員として参加している。最賃の決定に直接参加できるようになった。今年の委員会はこれまでで一番先鋭な議論が戦わされた。全国一律の最賃制度を破壊し地域や業種や年齢で差別を持ち込もうとする経営側の攻撃を跳ね返し、(日本円に換算して)600円から640円へのアップとなった。不十分だが、2010年に400円だったことを考えると1000円への展望が出ているとも言える。収益率が低く廃業率の高い自営業者と青年労働者の反目や葛藤も、政府への援助金獲得などの闘いで乗り越えなければならない」

 希望連帯労組のノ・ユンスさんは、ケーブル放送C&Mの合理化・解雇攻撃を跳ね返した2010年以降の闘いを語る(下段記事参照)。正規職労組が非正規職労働者と「ともに生きよう」という暗号名の非公然組織をつくり、300余名の非正規職労組を結成した。「闘いの勝利は正規職と非正規職の連帯と団結にある」と訴えた。

セクハラを消させない

 なかまユニオン阪神分会の高島ふさ子さんは、M社のセクハラ裁判闘争を報告した。「7月19日第5回裁判後、初めて社長宅周辺デモを取り組み大きな反響があった。秋には証人調べに進む予定であり、大法廷で社長と親会社の会長を追及する。公正判決署名を集めていく」と呼びかけ、決意を語った。

真の給付型奨学金創設を

 若者の貧困に大きく関係する奨学金の問題では、沖縄なかまユニオンの比嘉勝子さんが報告。「沖縄では予算30億円で『沖縄子ども貧困基金』が創設され、無償の奨学金制度も作られようとしている。離島出身者などへの就学援助はすでに始まっている。子どもの貧困率29・9%(全国16・3%、2012年)、中でも一人親世帯では58・9%という状況を打開しなければならない。最賃も昨年21円上がって693円だが、全国一律1500円の実現こそ求められている」と比嘉さんは強調する。

 首都圏なかまユニオンの伴幸生さんは「給付制奨学金を求める301万筆の署名が集中し、公明・民主・共産・維新・生活・社民各党が給付制奨学金について言明した」と前進を指摘。一方、一億総活躍の目玉政策である「所得連動返還型奨学金」について「所得ゼロでも2千円返済」など全く人をあざむくもので「安倍政権は形だけ作ろうとしている」と批判した。

残業代ゼロ先取り許すな

 全国際自動車労働組合の伊藤博さんは「国際自動車の職場のパワハラなどに抗議して闘ってきた。不払い残業代の支払いを求める裁判を起こし、東京地裁でも東京高裁でも勝訴した。2次訴訟は、東京地裁で不当判決を受けたが跳ね返していく」と力強い決意表明がされた。

 2次訴訟で清水響裁判長(元検事)の出した不当判決は、残業代ゼロ法の先取り攻撃であり、絶対に許してはいけないことが確認された。

最賃1500円へ決議発信

 最後に、分野別討議の決議を確認。「『富国強兵』の一億総活躍プランではなく、格差是正、貧困問題の解決を。セクハラ・パワハラ=若者への人権侵害を許さない」をメイン・スローガンとして、残業代ゼロ法、解雇の金銭解決など秋期労働法制大改悪に反対すること、日韓労働者が連帯して韓国1万ウォン(約910円)、日本1500円の全国一律最低賃金を実現すること、給付制奨学金創設を勝ち取ることなどを決議した。初参加の青年からの提起を受けて、決議文に、「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ホームページで活動内容や結果を社会的に発信しよう」と盛り込んだ。





ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS