2016年09月02日発行 1442号

【フェアコープ奮闘中(48)自己実現のできる社会めざして】

 7月31日に開催されたZENKOin大阪の分野別討議『99%が立ち向かう仕事づくり&雇用拡大 ―協同組合運動』に参加しました。

 昨年から若者中心に運営が行われるようになり、そもそも「協同組合とは何か」というところから議論が始まり、ブラック企業という言葉が普通に使われる社会状況の中で、「働くみんなが経営者」をキーワードに、協同組合の実態をいかにして作り出すかが全体の問題意識になっていきました。

 東京のパラマウント・ワーカーズコープ、大阪の耕文社からパネルディスカッションという形で報告がなされました。詳細は省かざるを得ませんが、理念を実現していくために、職場で働く者同士の意思疎通をどう深め、お互いが納得してどう事業を進めていくのか、苦労している様子がわかりました。

 「経済の強者と弱者の二極分解が進む中、民主的な事業体を『継続し続ける(つぶれない)』を標榜(ひょうぼう)し、運営し続ける」 「働くことの意義=生きやすい社会、自己実現を成し遂げ、より人間らしく生活することの礎を経済的側面から作り出すことが、協同組合事業の闘いの一つであることを確認する」とのまとめに示されるように、困難な試みではあるがそれに取り組む人たちの熱意が共有され、意欲を持てる交流の場になりました。私もフェアコープを地域・社会の課題に応えて「仕事づくり、雇用拡大」をめざす協同組合運動の一翼を担う事業として発展させていこうという決意を持つことができました。

 ところで、先立つ7月17日、福島市町庭坂にあるレストラン「げんき菜農園」さんでフェアコープの販売会を開催することができました。「月桃の花」歌舞団の福島公演(本公演10月8日)に協力いただける福島の方たちのつながりで今回の企画が実現したのですが、当日はランチのお客さんがたくさん来られており、高知の野菜やお米に関心を持たれる方も少なくありませんでした。

 店長さんは北海道のお米や山梨の野菜などを中心に少しでも安全な食材を使ったメニューにこだわり、小さなお子さんをお持ちの若い家族層から支持されて営業を続けてきたと語っています。帰還が奨励され、放射能の被害を問題にすることすら押さえ込まれようとしている状況下で、食の安全にこだわって活動している人たちとどうかかわっていくか、今回の販売会を契機に新たな模索が求められています。

 フェアコープ関東を事業として継続させていくには、売り上げを大きく伸ばさなくてはなりません。そのための飛躍をかけてこの秋を頑張っていきたいと思います。

  (東京事業所 佐々木透)
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