2016年09月02日発行 1442号

【11回目のヤスクニキャンドル行動 戦争法の発動に抗し 平和の東アジアへ】

 「戦争法は発動段階に入った。自衛隊は殺し殺される部隊へと変容させられる」。この時代認識の下、第11回「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」キャンドル行動が8月13日、都内で行われた。

 共同代表の今村嗣夫弁護士は主催者あいさつで「集団的自衛権の行使など有事の際に防衛大臣が発する『防衛招集命令書』の色は『淡紅色』。かつての徴兵制下の『赤紙』が復活しつつある」と指摘。

 シンポジウム「戦争法の時代と東アジア」では、韓国・民族問題研究所の金敏普iキムミンチョル)さんが「韓日間の歴史葛藤を解決するには、植民地主義の脱却など『過去清算』の実践、『人権』をキーワードに国際的な世論をつくる実践が求められる」と提起した。

 琉球新報東京支局の新垣毅(あらかきつよし)さんは「戦争の温床をつくるのは差別と排外主義、植民地主義。沖縄を道具とみなす日本の植民地主義と沖縄の自己決定権への主張とが今、鋭く対立している」とし、「沖縄のアイデンティティは『ヌチドゥタカラ=命こそ宝』『ユイマール=共生』『イチャリバチョーデー=出会えば兄弟』『チムグクル=人の痛みに寄り添う』。命や人権、平等、寛容といった普遍的価値観と共鳴する」と訴えた。

 続く遺族証言で、韓国・太平洋戦争被害者補償推進協議会の李煕子(イヒジャ)さんは「日本の参院選の経過に、これまで抱いてきた不安と恐怖が現実のものになりつつあると感じた。誰ひとり二度と私の父のように無念の死を強いられることも、靖国に合祀されることもないよう、安倍の暴走を阻止しなければならない」。

 500人の参加者はこの後、右翼の妨害にめげず、キャンドルをかざしながら靖国神社周辺を歩いた。

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