2016年09月02日発行 1442号

【ZENKO緊急ツアー報告 沖縄・高江に泊まり込み連帯】

 ZENKOが沖縄・高江へ緊急連帯ツアーを実施した8月5〜8日、ヘリパッド建設工事・テント撤去阻止へ泊まり込みで闘ったメンバーに報告を寄せてもらった。

心豊かな空間が胸を打つ

 強制撤去からテントを守る座り込み。交通手段がない市民を途中で乗せ、N1裏に向かう。すれ違いも困難な農道に100台近くが駐車し、炊事場を備え200人は座れるテントが作られていた。

 機動隊にいつ襲われるかという緊迫した中、雨をしのぎながら集会に臨む。山城さんの進行で弁護士の解説や議員あいさつが続き、歌で士気と連帯感を高めた。住民の宜保さんは「N1テントが撤去されたとき悔しくて涙が出た。工事を止め、日本を救おう」。

 夜、150食分のカレーが振る舞われ、コンサートが開かれた。命、暮らし、自然、民主主義を守りたい―参加者の思いとスタッフの尽力が生み出す心豊かな空間に胸を打たれ、車中で夜を明かす。

 山場とされた8日朝まで撤去の動きはなく、300人で喜びあった。しかし帰り際、N1表では機動隊が県道両側に張り付き、車両を誘導、歩行者を尾行する異様な光景。砂利搬入阻止行動を恐れての抑圧だ。私たちの車も牛歩でダンプを遅らせる闘いに加わったが、不当な通行止めにあい、警察護衛付きの6台に悔しくも追い越された。

 高江の実態を広め、署名や機動隊派遣の住民監査請求に取り組み、現地闘争への参加を呼びかけたい。

(ZENKO関東・原弘篤)

命守る民主主義の最前線

 7日夜、N1ゲート裏テント集会では「朝、動きがあれば、クラクションを鳴らす。道路に車を横に並べる。ここでスクラムをと指示する」と話があり、緊迫した状況だ。

 夜の暗闇に連なる車―みんな同じ覚悟での泊まり込み。こんなにもたくさんの人がと胸が熱くなった。翌朝5時、強制排除の動きなし!やったあ! 山城博治さんは「ここにこれだけの人数が集まることが奇跡。今日も阻止することができ、よかった。明日あさってに入ってこなければ、また展望が見えてくる」。

 朝の集会。現地で9年間も反対行動を続けている住民は「7月22日は突破されて本当に悔しかった」「今から仕事に行くので話すことしかできない。全国から泊まり込みで来てくださっているのに」(がんばれーの声)「別の地区ではオスプレイの低周波や音で引っ越した人もいる」。あたりまえの生活が続けられないことが問題だ。

 現地はずっと緊張した時間が続く。高江や辺野古に座り込む。それは命を守り民主主義を勝ち取る最前線の闘いだ。

 私は伊方原発再稼働の日も現地で反対した。沖縄も原発も国策の名のもとに、市民の声、民意は無視され続けている。こんなことは許されない。今こそ連帯を強化し、安倍政権の暴挙を阻止しよう!

(ZENKO関電前プロジェクト・秋野恭子)

機動隊の能面の奥にも届け

 沖縄から全国各地からどんどん人が集まってきた。議員も弁護団もメディアも。

 300人近く座れるテント作り、音響、寝泊りから食事まで配慮する事務局スタッフの尽力。機動隊の強襲に備えて戦術を練り、参加者に高江の闘いの意義を語り、沖縄の人たちの思いを伝え、交流の場を盛り上げ、団結と連帯をつくる山城博治さんの姿に感激した。車を並べ、夜を徹して監視した。機動隊はN1裏テントには手出しできなかった。

 警察車両に守られたダンプのN1ゲートからの砂利運び入れを止める抵抗の行動にも加わった。そこには「なにわナンバー」の大阪府警がいた。装甲車が道路片側を封鎖して抵抗行動を邪魔する。

 私の車の横についた東京から来た機動隊員は「沖縄が好き。上の命令で仕方ないが、こんなところには来たくなかった」と言った。能面の顔の奥に届けと、機動隊員に「なぜそんなことをするの」と説きながら行動した。

 非は安倍政権にある。私たちは絶対に勝つ。そのために、発信し、街頭に立ち、事実を伝え、署名を集め、そして沖縄に来て声を上げる、そのつながりをもっと大きくしたい。

(ZENKO大阪・森厚子)

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