2016年09月09日発行 1443号

【フクシマ・オキナワとつながる希望ミュージカルコメディ/『ガマ人間あらわる』(「月桃の花」歌舞団)10月福島で公演/健康で幸せな社会へのきっかけに/実行委員長 岡崎仁】

 10月8日、福島市で「月桃の花」歌舞団のミュージカルコメディ『ガマ人間あらわる』が上演されます。そのスタート企画のプレ公演が8月14日に行われました。私がこのミュージカルを観るのは2回目。観る回数を重ねる毎に心に染みる劇だと思います。

 プレ公演に向けて私自身は福島駅前でのチラシ配りしかできませんでしたが、「誰でも無料で放射能健康診断を」署名や健康アンケートを含めた宣伝活動では、どうしようもないという絶望感、放射能や健康問題について口にしにくい空気を感じました。ただ、歌舞団の皆さんのエイサーなど音楽や歌声ですぐに人だかりができ、楽しい雰囲気の中で宣伝できたと思います。当日は43名のお客さまに来ていただき、多くの好意的な感想が寄せられたことには正直安心し、受け入れてもらえている、良かったと思いました。

 実は福島公演の話があった時、放射能汚染地の福島に歌舞団を呼んでしまってよいのだろうかと思いましたが、歌舞団の皆さんは「福島で公演することに意味がある」と。その気持ちに私を含む福島の人たちがどのように応えられるか今は分かりませんが。ならば、できるだけ多くの福島の人、とくに若い人に観てもらい、共通の話題となって一人一人の社会に対する視野が広がり、考えが発展し、輪が広がって健康で幸せな社会を創るための一つのきっかけになればよいと思いました。

 本公演は10月。精いっぱい歌舞団を応援し、もっと多くの若い人たちに観てもらえるよう宣伝していきたいと思っています。それがみんなの成長の礎となることを願って。

 企画・運営・宣伝を立案して精力的に実施し、演劇してくださった歌舞団の皆さん、会場に「牧場」を展示していただいた山内若菜さんに感謝申し上げます。実行委員や協力者の皆さんのバイタリティあふれる行動力に頭が下がります。本公演に向け、引き続きよろしくお願い申し上げます。

一人ひとりとの会話から届いたメッセージ/「月桃の花」歌舞団・神子幸恵

 福島公演スタート企画は会場一杯となりました。

 福島では全く無名の歌舞団。とにかく必死で宣伝しました。

 一番力を入れたのは福島駅前でのストリートライブです。大きなバナーを掲げ、エイサーや歌、三線などで公演を宣伝すると人垣ができ、放射能健診署名や健康アンケートも一緒に行いました。

 大切にしたのは、まず、福島の方々と会話をすること。「子どもが学校に上がるので帰ってきた。だけど、好きで帰ってきたんじゃない。本当はいや。子どもの将来が心配」など、本音も聞けました。放射能を心配に思っていても言えない空気があることを肌で感じました。当日は20人以上が街頭で配った招待券を持って来場してくれました。

 また、現地実行委員の方と一緒に、平和団体・フリースクール・生協から貧困問題・自然食・反原発など様々な団体まで80か所以上回ったことです。メディアも福島民友、福島放送が取材に来ました。

 福島で公演することで、緊張感をもってステージを作りました。でも、始まるとあちこちから、笑い声やすすり泣きの声が聞こえてくる。まるで、水が土に染み込んでいくように、メッセージが伝わっていると感じました。

 感想交流会では、飯舘(いいたて)村の佐藤八郎村議が「素直に感じることをそのまま生きることで希望を見出すことができる。人間は根底にはそういうものを持っている。そう感じた」と発言。アンケートでも「『私の命は私のものだ、私が決める』が一番印象に残った」「声をあげて闘わなくてはと思った」「歌や踊りも内容も素晴らしかった」などの意見をいただきました。

 つくられた分断を見すえて、笑い飛ばし、お互いにつながっていく歌舞団の文化運動で、福島から日本を変えていきたい。10月8日福島公演を満杯のお客さんで成功させたい。

福島公演

10月8日(土) 開演15時 福島市音楽堂小ホール
問合せ先 「月桃の花」歌舞団

tel 06-6885-8475
090-2769-4062
info@gkabudan.jp



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