2016年09月09日発行 1443号

【伊方原発30キロ圏自治体要請行動 地元住民とともに総勢20人で】

 2013年からはじめた愛媛県伊方原発30キロ圏自治体要請行動。再稼働強行後初となる今回は、(1)熊本地震を踏まえれば30キロ圏の自宅待機の避難指針は見直すべき(2)基準地震動の再審査を(3)40年期限を守るように―の3点を要請し、具体的な避難の課題を聞きだすこと、地元の活動家、議員との連帯関係を深めることを目標とした。

 努力と継続の積み重ねの結果、原発さよなら四国ネットワークをはじめ地元市民、議員など総勢20人の要請行動となり、請願も宇和島市、八幡浜市で出すことができた。

 西予市では地元の方が避難計画の具体的な不備を指摘し、変更を迫る。大洲市では「人間として判断してほしい」と訴え、宇和島市では議員が同席し実態を踏まえて追及。伊方町は当初、不在とされていたが、急きょ受け取りのみ担当が対応し、回答は電話で後日聞くこととなった。

 政府の屋内退避指示に対し見直しを県と国に要請している(八幡浜市)、30キロ圏外の住民も視野にいれることで「出前訓練」が増えた(宇和島市)などの動きもわかった。

 参加した関電前プロジェクトの松永勝子さんは「無農薬の自然農法に取り組む伊予市の青年が『原発が怖くてたまらない』と要請行動に初めて参加した。木・草・虫・土と心通じて自然を大切に思う人は放射能の怖さがわかる、と思った。要請を議会の議題として取り上げてもらうには、議員を通す必要があると初めて知った。だから各自治体議会に議員を出す必要があると納得した」と話している。

 各自治体職員も、本当のところは伊方原発再稼働には反対だが、「国の責任」で動かされている。責任が重くのしかかることに苦悩する姿を強く感じた。だが、住民を守るのは自治体の責務だ。自治体がよりいっそう反対の声を上げることができるように、地元市民、議員が一体になって運動することの大切さを改めて実感することができた。

 今後もさらに連帯の輪を広げ、より多くの人たちと声をぶつけていきたい。

(全交・関電前プロジェクト・秋野恭子)

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS