2016年09月16日発行 1444号

【「不登校対策法案」廃案へ街頭署名/子どもを追いつめる法案です=z

 8月24日、なかまユニオン教職員支部の呼びかけで、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の確保等に関する法律案」(通称「不登校対策法案」)の廃案を求める請願署名に街頭で取り組みました。

 この法案は、不登校の子どもを個別支援を口実に学校から排除し管理するものであり、また、民間会社の参入により、教育の民営化、公教育つぶしにつながります。しかし、法案そのものには「子どもの権利条約にのっとり」とか、「休養の必要性」とか、聞こえのいい言葉がちりばめられていて、問題がわかりにくくされています。街頭でどれだけ足を止めてもらえるか、始める前は少し不安でした。

 当日の大阪・京橋駅前。なかまユニオン教職員支部からの5人と私で計6人が集まりました。署名用の机にはユニオンのメンバーによる「エッ! 不登校の窓口が警察?! 廃案署名を」と大きな字で書かれた看板が貼りだされ、「不登校対策法案廃案」のゼッケンや法案の内容を解説した独自のチラシなど準備万端でした。私は、署名板と署名用紙だけ持ってきた自分を反省しました。署名の呼びかけも「子どもを追いつめる法案なんです!」とストレートに訴えられているのを見習って、緊張しながら集め始めました。

署名で対話

 「文科省は不登校の子どもの情報を警察と共有しようとしています。まるで犯罪者予備軍扱いですよね」と訴えると驚かれたり、「不登校のカウンセラーをしているが法案のことは知らなかった」という声もあり、まだまだ問題が知られていないことを実感しました。

 子どもや孫が不登校という方が立ちどまって経験を話してくれたり、署名をしてもらいながら対話ができると感じました。知り合いのフリースクールのスタッフの方が通りかかり、「不登校と書いてあったら何かな?と思うから、(ゼッケンは)いいですね」と言ってくれました。署名を預かってくれた労組の方もいました。署名は1時間で17筆集まりました。これからも共同で署名に取組み、もっと会話して集めたいという意欲が湧いてきました。

 法案は先の国会で継続審議になり、秋の臨時国会で成立が狙われています。また、法案が通る前提で、「児童生徒理解・教育支援シート」を作り警察などと共有するという文科省の不登校対策や、株式会社のフリースクール事業進出など、法案の具体化は進行しています。法案は不登校の子どもだけの問題ではなく、安倍政権の戦争・改憲路線に貢献する人材づくりの一環です。広く訴え法案を廃案に追い込みたいと思います。

 9月18日(日)には大阪・京橋駅前で2回目の街頭署名行動(16:45〜18:00)。なかまユニオン教職員支部とフリースペースひまわり共同の取り組みの予定です。

(フリースペースひまわり・小川裕子)

 
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