2016年09月30日発行 1446号

【みるよむ (412) 2016年9月10日配信 イラク平和テレビ局in Japan 2016ZENKO in 大阪 ハン・サンジンさん(韓国「対案文化連帯」)講演】

 7月30、31日2016ZENKO in 大阪に韓国・対案文化連帯の平和フォーラムを担当するハン・サンジンさんたちが参加した。その場で行われた、韓国における反戦平和運動と日韓の連帯した平和運動についての報告をお伝えする。

 ハン・サンジンさんは、韓国東南部・星州(ソンジュ)への配備が大きな問題になっているTHAAD(高高度ミサイル迎撃システム)や、済州(チェジュ)島のカンジョン村で建設が始まった韓国海軍基地について発言した。パク・クネ政権は朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)対策だと言い訳するが、韓国の軍事費は朝鮮の44倍もある。

 THAADも済州島海軍基地も中国との軍事的対立を強めるためのものだ。ハン・サンジンさんは「韓国と米国と日本、そして北朝鮮と中国とロシアという2つの柱を中心とした新冷戦の角逐(かくちく)(争い)」の中で、韓国の軍備増強も日本の軍拡と改憲策動も見なければならないことを訴える。

 韓国の対外軍事戦略は、日本とよく似ている。2003年以後のイラク占領に韓国も日本同様に派兵した。名目はイラク再建事業で工兵部隊を送った。実は「イラク人のいない敷地」で作業をしていただけだ。「イラクのために病院を建てた」と報道されたが、韓国軍部隊の余った中古資材を持ち帰るわけにもいかずに「寄贈」という名目で置いていったにすぎない。自衛隊もサマワに「復興支援」の名目で長期駐留し、火力発電所を100億円以上かけて建設したが、今は全く動いていない。

 韓国はUAE(アラブ首長国連邦)に原発を売りつけて2017年から運転開始予定だ。そしてUAEの軍隊と警察をサポートする形で韓国軍を派兵している。韓国軍はすでにこの産油地域への軍事介入の第一歩となる足場を確保している。日本の自衛隊がジブチに海外基地を置き紅海やインド洋北西部、北アフリカの権益地帯への軍事介入の拠点を確保しているのと同じだ。

 ハン・サンジンさんは「南スーダンでは韓国軍と自衛隊が合同で軍事行動を行っている」とズバリ指摘する。安倍政権が南スーダンで自衛隊の武力行使を狙っている今、同じ派兵国家としてアフリカの人びとに銃口を向ける日本・韓国、さらには中国、米国などのグローバル資本の戦争政策に反対して、連帯した闘いが必要だと強く訴えている。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS