2016年09月30日発行 1446号

【福島原発事故から5年半 反原発ワンデイアクション】

高浜再稼働阻止へ関西自治体に迫る

 福島原発事故から5年半。9月15日、全交関電前プロジェクトは反原発ワンデイアクションに取り組んだ。京都府の原子力防災課(高浜原発にかかる府と府下7市町協議会の事務局)と大阪市の環境局、危機管理室との協議、教育委員会要請、市役所前での放射能健診署名と沖縄・憲法緊急署名、関電前行動などで再稼働阻止を訴えた。

 京都府原子力防災課には「40年延長稼働反対、基準地震動の再審査要求、7市町協議会の傍聴」などを要請したが、すべての項目に「うけたまわっておきます」と全くの官僚答弁。8月23日の協議会の場で老朽化原発問題への突っ込んだ質問があったことや、同意権をめざす京都府の立場は確認した。7月の関西広域連合要請時の「周辺の府県から、国に説明を求めてほしい、という要望は出されていない」との回答を材料に、京都府から意見を出すことを要請した。

 この原子力防災課が協議会の議題、市町間の調整を行う。市民に開かれた協議会、関西電力や国に対する要請を継続して強く求めていくことの重要性を認識した。

市民の命を守れるのか

 大阪市との協議には約20人が参加。「関電株主である市が再稼働の条件として提案したのは、(1)想定される事象に万全の安全対策(2)事故時の賠償制度の創設(3)使用済核燃料の最終処分の確立だ。同じ内容を国には要請するべき」「高浜1、2号機の延長申請合格や基準地震動の過小評価問題への回答がない」と追及し、回答を約束させた。

 福井の原発事故時の影響については、関西広域連合のシミュレーション待ちとの回答。これに対し、関西広域連合担当課長の「シミュレーションは今後進展する見込みがない」との発言を伝え、矛盾を突いた。初耳だったらしく返答に窮し、「兵庫県の担当者に確認する」というお粗末さだ。また、環境局も危機管理室も放射能モニタリングポストの設置場所を把握せず、検査値の把握システムさえないことが露呈。2年越しの要請に対し、大阪市として全く動いていないことが発覚した。参加者から「市民を放射能被害から守るつもりがあるのか」と怒りの声が噴出した。大阪市は、関電に株主提案した4年前から「原子力災害の被害の可能性がある自治体」と危険性を認識しながら対策を怠っていたことは許されない。

 市民の命と安全を守ることの徹底を今後も厳しく追及し、原発再稼働阻止、廃炉要求を強めていく。

(全交関電前プロジェクト・秋野恭子)

原子力産業の支配ノーと市教委要請

 ワンデイアクションの一環で、大阪市教育委員会に「原発事故と放射能汚染にかかわる学習についての要請書」を提出しました。月1回行っている原発学習交流会例会等で論議し、「子どもたちを放射能から守る大阪ネットワーク」名で提出したものです。約20人の市民の参加で大衆的に提出行動ができました。

 要請項目は2点。(1)「原子力産業の発展に寄与」を目的に掲げる関西原子力懇談会(実質は関西電力)による放射線教育支援事業への協力的立場を撤回すること(2)「私たちの放射線副読本」(とやま原子力教育を考える会制作)など、被害をこうむる住民の立場で書かれた学習副教材を各学校に配布することです。

 市民から「避難してきた子どもの思いがわかっているのか」「学校では、推進の立場だけでなく真実を伝えてほしい」と強く求めました。

 私たちは原子力産業の教育支配に反対し、2012年以来市教委に7回の要請書を提出し、6回の「協議」で追及。多くの事実を明らかにさせ、その内容を踏まえた要請です。要請書の全文は「原発学習交流会・大阪」ブログ(http://gen-gaku-kou.tumblr.com/)に掲載しています。

(子どもたちを放射能から守る大阪ネットワーク・松田幹雄)





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