2016年10月07日発行 1447号

【議会を変える市民と変える/東京都日野市議・有賀精一/浅川の自然環境を守れ】

 読者の皆さんの住む町に川は流れていますか。

 私の住む日野市は、浅川と多摩川に恵まれ、その水を利用した無数の用水がある水の町。とりわけ浅川は、日野を南北に分け、北はJR中央線エリア、南は京王線エリアと町を特徴づけています。台風や大雨では危険な存在ともなる一方、川は自然の豊かさ、すばらしい景観、農業、文化を支え、憩いの場として市民に多大な恩恵を与えます。

 9月議会で私はこの浅川の問題を取り上げました。

 きっかけは一本の電話。8月下旬に知人から「浅川の流量が激減していることを有賀さんはご存じですか」。自然環境に強い関心を持つ私としてはびっくりするとともに、自分の不勉強を恥じました。

 流量激減の原因は、日野の上流、八王子市にある北野下水処理場の閉鎖・移管。昨年から5年ほどかけて行うため流量減少が始まっているのです。近年流量を減少させてきた浅川にとって北野下水処理場から浄化されて出てくる水は極めて重要な役割を果たしていたということです。

 北野下水処理事業の閉鎖・移管は東京都水道局の管轄とはいえ、八王子市ホームページにも公開されており、日野市は当然知っているはず。しかし、なぜか流量激減に対する策を講じておらず、市民にも知らせていません。

 前述の知人は嘆きます。「いま浅川は、日野市内でも何か所か子どもでも歩いて渡れる場所もあるほど流量が減少している」

 川と周辺に棲息する魚や昆虫、鳥、すべての生きものにとり、川の流量の激減は死活問題です。水辺の自然・生物多様性はある程度の水が確保されてこそ保全されます。

 日野市は「水都日野」「緑と清流の町」と自らをアピールし、川や用水などを市の大事な資源として生かそうとしています。今年8月14日には市主催で第1回浅川アユまつりが開催され、6000名を超える市民が集いました。流量が激減すれば当然アユの遡上も大きな影響を受けます。浅川の自然と生物多様性を守るために、市は浅川の流量激減に対して向き合うべきではないでしょうか。

 ハワイでのIUCN大会には議会中で参加できませんでしたが、今回の質問を嚆矢(こうし)として自然環境問題にも取り組んでいくつもりです。一般質問の準備でお世話になった市民・専門家のボランティアの皆さんの情熱に学びながら。

 詳しい内容は日野市ホームページから、市議会の有賀精一の一般質問録画をご覧ください。物流センター問題、区画整理事業問題でも質問をしています。
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