2016年11月18日発行 1453号

【「同胞一つ」 チョン・ウリョンさん 団結まつり前夜祭で報告 日韓の平和運動ネットワークを】

 10月29日、団結まつり(大阪)の前夜祭で、「同胞一つ(キョレハナ)」大学生代表チョン・ウリョンさんが、韓国―日本での重要課題である韓米日軍事同盟の強化と歴史歪曲の問題について報告
した。要旨を紹介する。(まとめは編集部)

 「同胞一つ」は朝鮮半島の南北統一、分かち合い(北への物資支援)などを掲げて平和運動を行っている団体で、韓国で2004年に創立され、6千人の会員がいる。

日韓「慰安婦」合意に抗議

 昨年末、「被害者の同意も加害国日本の謝罪もなくなされた」日韓「慰安婦」問題解決合意に対し、チョン・ウリョンさんなど「同胞一つ」の大学生らは「合意は無効だ」と抗議行動に出た。日本政府が撤去を求めている、日本大使館前の「平和の少女像」を守ろうと、真冬の中、テントと寝袋で座り込みを始めた。この行動には、これまで運動に参加したことがなかった若者らが寝袋を持って集まり、のべ700人が運動に参加したという。若者を動かしたのは、「被害者の人権を踏みにじり、歴史を捻じ曲げる日韓両政府への怒り」であった。

 チョンさんは、歴史歪曲と韓米日軍事同盟の強化はつながっていると強調する。「安倍政権による集団的自衛権発動を可能とする戦争法♂ツ決と施行、韓米軍事演習などは、朝鮮半島が再び軍事的介入、再収奪、再侵略の場となる危険性を帯びている」

THAAD配備に反対

 「同胞一つ」はこれらの動きに抗議してきた。

 一つは、朝鮮半島へのTHAAD(サード)ミサイル(高高度ミサイル防衛)配備に対する反対運動だ。「THAADはミサイル迎撃の実効性がないとすでに明らかだったにもかかわらず、韓国政府は配備を決めた。それは、日米をねらった中国・朝鮮の長距離ミサイルをXバンドレーダー(推定探知距離2千〜5千`ともいわれる。)で早期に探知・追跡する必要があるからだ」とチョンさんはいう。THAAD配備と日本は無関係ではない。

 もう一つは、昨年10月に開かれた「ソウル国際航空宇宙・防衛産業展示会」(ソウルADEX)への抗議行動だ。武器見本市であるこの展示会に、各国の国防長官級や軍需産業関係者の他、中谷防衛相(当時)と自衛隊の航空幕僚長が参加した。世界の平和運動家とともに奇襲デモを行った。今年のADEXにも、自衛隊が参加するという。

 チョンさんは最後に、「このような軍事同盟の強化の動きに対し、日韓の若者の平和運動のネットワークが必要だ」と強調した。

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