2016年12月16日発行 1457号

【1457号主張 強行採決と沖縄弾圧の異常 平和と命を奪う安倍打倒へ】

強行採決の連発

 安倍政権は「統合型リゾート施設」法案(カジノ解禁法案)を衆院で強行採決した。内閣委員会の審議時間はわずか2日、計6時間。99%の市民を1%のためのカジノ資本主義に巻き込むとんでもない法案だ。採決では、自主投票とした公明党からも半分以上が反対。安倍政権は与党の支持さえ得られなかった。

 一方、カジノ法案に賛成した日本維新の会は、16年度第2次補正予算案をはじめ、国民生活を直撃する悪法成立に次々と協力。自公与党が強行採決を繰り返したTPP(環太平洋経済連携協定)承認と関連法案、年金カット法案にも賛成し、改憲をにらんだ翼賛勢力ぶりを見せつけた。安倍政権は、改憲のパートナーである維新を利用し、暴走を加速させている。

 民意も民主主義も踏みにじり、悪法を力づくで押し通す安倍は打倒しかない。

運動つぶしと分断狙う

 安倍政権の強権はとりわけ沖縄で際立っている。11月29日、辺野古新基地建設反対運動を担う沖縄平和運動センター・山城博治議長ら4人が逮捕された。いずれも「威力業務妨害」の疑いという微罪による。高江の米軍基地内の有刺鉄線1本を切ったことを「器物損壊」容疑とした山城議長逮捕と同様の不当逮捕だ。

 全国各地から送り込まれた機動隊は反対する市民の骨折させるなど、はるかに悪質な罪(傷害罪)を犯している。大阪府警機動隊の「土人」差別発言も、発言した隊員が戒告処分を受けたのみだ。

 警察は、持病を持つ山城議長を長期勾留したまま起訴する非人道的対応を取っている。沖縄平和運動センターやヘリ基地反対協、現地のテントに対する家宅捜索は、情報収集とともに反対運動の弱体化を狙った全く不当なものだ。

 高江、辺野古での警察の弾圧を「復帰前の米軍施政下よりひどい」と指摘する声さえある。住民側弁護人を務める池宮城紀夫弁護士は「当時の米軍でも基地に反対する人びとをむやみに逮捕・投獄することはしなかった。戦後沖縄の歴史の中でも、まれに見る権力の暴走が起きている」と批判する。憲法が保障する表現の自由を公然と破壊する安倍政権の強権ぶりは、もはや軍事独裁政権と変わらない。

 今回の不当弾圧は、12月22日の米軍北部訓練場「返還式典」大宣伝からあわよくば1月にも辺野古新基地工事を再開しようと、現地の闘いを弾圧し、オール沖縄≠ニ市民運動の分断を狙う。弾圧、分断を許さぬ全国からの抗議と連帯を緊急に広げよう。

すべての闘いつなぎ

 12月12日、南スーダンに派兵された自衛隊による「駆けつけ警護」任務も始まる。南スーダンは内戦状態で、「民族浄化」(特定民族の根絶)さえ危惧される。自衛隊派兵は民族浄化への加担につながる軍事介入だ。殺し殺される事態の前に即時撤退させなければならない。

 高江・辺野古新基地建設、駆けつけ警護、年金破壊、TPP強行、カジノ資本主義、原発再稼働―すべて1%の利益のために99%の命と生活をふみにじる。沖縄・改憲阻止署名、抗議ファクスを集中し、冬ZENKO集会(12月11日横浜、18日大阪)にすべての闘いを結集して安倍内閣を打倒しよう。

 (12月3日)
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