2016年12月16日発行 1457号

【「憲法いかそう茨木市民の会」出発のつどい/来年1月市議会選挙にチャレンジ/地域から改憲阻止し、命を守る】

 山本よし子さんを代表とする「憲法いかそう茨木市民の会」の出発のつどいが12月3日、大阪府茨木市内で開かれた。来年1月の茨木市議選をはじめ地域から改憲を阻止する取り組みが本格的に開始された。

 出発のつどいに先立って開かれた第5回憲法語ろう会では、京都府向日(むこう)市議会議員の杉谷伸夫さんが「地方自治を壊す自民党改憲草案」を批判した。

 杉谷さんは1期目こそ最下位当選だったが、2期目は5位と上位当選。その経験から「人権と生活破壊、地方自治破壊と闘う市民派議員の役割」についても報告した。

 議員をめざそうとしたきっかけは二つ。1999年周辺事態法が制定された時に、「周辺事態法に基づく戦争協力を行わない」決議を求めて議会請願した。一人で呼びかけたが、友人・知人に働きかけて675筆もの署名を集めた請願は採択された。これを契機に地域で活動を始めた。二つ目は、2006年の無防備平和条例の直接請求運動だ。有権者の11%の署名を集めた直接請求は無残にも否決された。議会の実態を初めて知った杉谷さんは「議員にお願いするのではなく、私たちの代表を議会に送ろう」と決意する。

 市民派議員として、原発再稼働反対や戦争法反対、沖縄新基地建設・高江ヘリパッド建設中止などの意見書採択にかかわった杉谷さんが最もこだわったのが、徹底した情報公開だった。「まちの大切な情報が市民に伝わっていない」と議会に提出された全議案をホームページに提案翌日に公開させてきた。現在は改憲問題を毎回の議会で取り上げ、当局や議員の対応を市民に伝えている。

カジノ推進の維新を批判

 茨木市民の会が取り組む沖縄・改憲阻止緊急署名は現在約1100筆。11月22日に市内で開いた『標的の村』&『高江―森が泣いている』上映会は122人の参加で成功した。駅前の署名行動でチラシをもらった市民の参加もあった。

 現在、市議会(定数30)の最大会派は維新の会の7人。公明党が6人、自民党が5人でその他の保守系を含めると改憲勢力が3分の2を占める。来年1月15日公示、22日投開票の市議選では、国政で自民とともに改憲路線をひた走る維新の会との闘いが大きな課題となる。「維新も強行採決に加わった『カジノ法案』を徹底的に批判しよう。必ず維新批判につながる」との意見も出された。

自分が前に出る

 事務所開き・出発のつどいが始まった。

 杉谷議員に加え、大阪府枚方(ひらかた)市議の手塚たかひろ議員も激励に駆けつけた。平和と民主主義をともにつくる会・大阪の山川よしやす代表や、山本さんが代表を務めるOPEN(平和と平等を拓(ひら)く女たちの絆)メンバーも門出を祝った。

 山本よし子さんが無所属市民派として市議選にチャレンジする意気込みを語る。

 「教員時代に子どもの貧困を見てきた。学校だけの問題ではない、行政や福祉の問題でもあると気付いた。非正規の問題や女性の貧困も直接政治にかかわらないと変わらない。きっかけは戦争法反対運動だった。あれほどの市民が声を上げたのに、成立したことが悔しかった。市民の力を大事にして政治につなげる意義を痛感した。参院選では福島みずほさん、わたなべ結さんを応援したが、誰かの応援ではなく自分がもっと前に出ないといけないと感じて、チャレンジに至った。ポスターには戦争・貧困・原発にNOを掲げている。じゃあ、YESは何か。それは命だ。命を大事にする、命を守る政治を目指したい」

 参加者から大きな拍手が送られた。

 市民の会は12月10日、18日にも憲法語ろう会を開く。来年1月8日には新春の集いを開催する。

【憲法いかそう茨木市民の会事務所】

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TEL・FAX 072-665-6601
ブログ:http://ikasouibaraki.jugem.jp



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