2016年12月23日発行 1458号

【1458号主張 基地強化の「返還式典」反対 高江も辺野古も許さない】

強権むき出しの安倍

 安倍政権は、沖縄の高江ヘリパッド建設・辺野古新基地建設をなりふり構わぬ強権で突破しようと急いでいる。

 最高裁は辺野古耀訴訟上告審の弁論を開かず、新基地を進める国側勝訴判断が12月20日にも確定すると報じられている。那覇地裁は6日、ヘリパッド建設工事に反対する高江区住民31人の仮処分申し立てで、国に工事の一時差し止めを求める住民側の訴えを退けた。司法は権力の番犬≠ニしての姿をあらわにした。

 22日には、沖縄の米軍北部訓練場に関する「返還式典」が行われる。安倍は、北部訓練場一部返還を「基地負担軽減」と大宣伝し、ヘリパッド建設と辺野古新基地建設強行への合意とりつけを図る。

 高江のG地区ヘリパッドは、日本政府が米軍に新たに提供した訓練水域とつながり、海兵隊による陸海空一体の上陸訓練が可能になる。辺野古新基地には、自衛隊と共に海兵隊部隊が配備され、敵地上陸作戦で使用する強襲揚陸艦が接岸可能となる。高江と辺野古は連動し、沖縄の米軍・自衛隊基地強化から、自衛隊自身の侵略部隊としての機能強化を狙うものだ。

 安倍は、民意も法も無視し、憲法を否定する強権むき出しの戦争国家へ突き進んでいる。

広がる連帯行動

 だが沖縄県民が屈することない。現地での闘いは続き、全国で連帯行動が拡大する。

 高江ヘリパッド建設に反対する市民700人は12月10日、N1ゲート前で抗議集会を開いた。伊佐真次(まさつぐ)東村議は「私たちは、当たり前に静かに暮らしたいだけ。自分の周りに危険なものが飛び交うことに反対の声を上げるのは当たり前」と呼びかけた。

 10日には「高江オスプレイパッド・辺野古新基地の建設を許さない!東京集会」が開催され、3900人が参加。沖縄の民意と尊厳を踏みにじり、基地負担を強いる安倍政権に退陣を求める集会アピールが採択された。大阪でも4千人の集会が開かれ、大阪府警機動隊員の「土人」発言へ抗議が行われた。各集会では衆院選を展望した市民と野党の共闘姿勢も示された。11日のZENKO冬集会等を含めこうした集会は全国33都道府県で開催された。

 米国でも連帯の動きが起きている。カリフォルニア州バークレー市の平和と正義委員会は12月5日に定例会議を開催し、「高江ヘリパッド建設再開反対決議」を可決。全米120の支部を持つ「平和を求める退役軍人会(VFP)」は10日までに、辺野古新基地建設計画の中止を求める決議案、高江ヘリパッド建設の中止を求める緊急決議案を会員全員投票で再び可決した。

 全国、全世界で強まる新基地阻止の正義の声が、安倍の野望に立ちはだかる。

沖縄と全国を結んで

 大手メディアは、高江での機動隊による市民弾圧や辺野古強行の不当さを報道せず、情報を隠ぺいしている。展望は、平和と民主主義を求める全国の市民による沖縄連帯を広げることだ。アベ政治への怒りを地域から掘り起こし、沖縄の闘いと結ぼう。沖縄・改憲阻止署名などで地域から対話を強め、沖縄現地激励連帯行動に取り組もう。12月22日「返還式典」当日、全国でノーの行動に立ち上がろう。

 (12月12日)

(追記)13日夜、米海兵隊オスプレイが名護東沿岸で墜落、大破。恐れていた大事故に沖縄県民の怒り噴出。オスプレイは即時撤去だ。(12月14日)
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