2016年12月23日発行 1458号

【議会を変える 京都府向日市議 杉谷伸夫/国保値上げ、マイナンバーに待った!】

 現在、今年最後の議会中です。私は一般質問で、国民健康保険(以後、国保)の保険料値上げ問題や、実施から1年となるマイナンバーの問題などを取り上げました。

 現在、向日市では国保の保険料の10%以上の値上げが検討されています。

 国保は、雇用先での保険に入っていないすべての国民(75歳以上を除く)が加入し、市町村が運営主体となる医療保険です。国民の約3割が加入していますが、大半が高齢者・無職者・非正規雇用労働者など低所得の方々です。向日市では65〜74歳の高齢者が46%、所得100万円以下世帯が72%、300万円以下世帯が94%です。医療費支出は多く、保険料は条件によりますが、税込み年収300万円なら30万円前後と大変な負担です。これをさらに値上げするというのです!

 理由は保険財政の悪化と、2018年度から国保財政が都道府県単位になることを機に、市町村が行ってきた一般会計からの法定外繰り入れ(税金で国保会計を補助する)の廃止を政府が求めているからです。法定外繰り入れは全国の約7割の市町村が行っているので、同様の問題が各地で起きているでしょう。

 市は、国保加入世帯にのみ税を投入するのは公平性に問題があると主張しています。私は、他の世帯と比べて異常に高い国保世帯の保険料をさらに引き上げることこそ不公平であり、高すぎる保険料を抑えるために一定の税を投入することは自治体独自の施策として位置付けるべきだと主張しました。

 とは言え、財政が苦しい市町村にできることは限られています。国保は、加入者の状況を見れば明らかなように、保険料を基本に運営していけるような構造ではありません。向日市では以前は50%以上あった国費の割合は、現在は30%台前半に減っています。自治体の自己責任で解決を図るのでなく、国の責任を問わなければなりません。

 マイナンバーに関しては、個人番号カードを利用した証明書類のコンビニ交付事業を見合わせるよう求めました。国は個人番号カードの普及にやっきになっており、様々な手段で個人番号カードを持たざるを得ない状況を作ろうとしています。コンビニ交付もその一貫ですが、先行実施した市町では、余り使われておらず大赤字になっています。

 私の質問に対し市は、個人番号カードの交付数は現在約8%で、月100枚程度しか交付申請がなく、増える見込みが少ないことから、採算面を考慮して実施しないことにすると答弁しました。
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