2016年12月23日発行 1458号

【給付制奨学金の実現を 財務省前で共同行動】

 「学ぶ権利に利子を付けるな」「ローンにならない奨学金を」「僕らは自由に学びたいんだ」。12月9日、財務省前に若者たちのコールが響いた。ゆきとどいた教育をすすめる会と奨学金の会が呼びかけ、全労協や全労連、首都圏なかまユニオンなどさまざまな団体・個人が賛同して取り組まれた共同行動だ。

 北海道や神奈川から参加した高校生がマイクをとる。

 「多くの高校生が経済的な理由により進路や家庭内の問題で困っている。誰もが自由に学校選択でき、安心して学校生活を送れる社会にしてほしい」「地元から離れた高校なので寮費と授業料、両方かかる。切り詰めて通わせてくれている親に申し訳ない。授業料だけでも無償化を」

 「奨学金返済のため夜遅くまでアルバイトし、疲れて授業中寝てしまう友人がいる。学ぶために借りたのに返すために学べないのは矛盾している」「4月から大学に進学する。奨学金は400万円。親は『負担かけてごめんね』と私に謝ってきた。でも、学費で困っている現状は親のせいでも子どものせいでもない」

 財務省前でキャンドル行動を重ねる非常勤の大学研究員は「給付制奨学金導入の声が高まっているが、財源は教育予算を削るのではなく、税の再分配機能の観点から考えてほしい」と求めた。

 参加者一同で「先進国中、授業料を取りながら給付制奨学金のない国は日本だけ。教育への公的支出も最低水準。学ぶ権利を守るため『学費は無償』『奨学金は給付』に」とのアピールを発した。

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