2017年02月17日 1465号

【議会を変える 東京都足立区議 土屋のりこ 非武の武道】

 最近、カラテを習っています。

 「非武の島」。それは、西洋の人びとが大航海時代、武器を持たずに平和を維持する琉球王国を目にし、驚き、航海記に書き記した言葉です。「唐手」は琉球の禁武政策時代、徒手空拳による自衛のために発展し、ヤマトに伝わり「空手」となったそうです。

 子どもの頃習っており運動不足解消にと再開しました。去年6月の交流試合は初級の部で優勝、8月全国新人戦は準決勝敗退、12月には上級の部に初出場と、遠慮なく楽しんでいます。

 成果はこの1月、議会で委員会終了後に歩いていると自民党会派の委員の方から「やせたよね」と嬉しいお言葉をいただいたことでしょうか。また、拳法をされている議員、他の武道をされている議員もおられ「足立区議会異種格闘技戦てのやってみたいねぇ」とお酒の席で盛り上がったことも。政治的主張の違いは当然ですが、議場を出れば右も左も置いた付き合いもある、議会は面白い所です。

 さて、なぜ反戦平和と言いながらカラテか、殴りあい蹴りあうカラテが非武なのか。一時軍国主義に利用され右翼的だとか危険なものと思われたり、オリンピック種目としてスポーツの側面が強調されたりもしますが、その根本は「武道とは矛を止める道」にあります。

 練習し、強くなったからといって粗暴・好戦的になるのは愚の骨頂。真剣は常に磨いて鞘に納めておく、抜かない。戦わずに争いを回避することがベストです。しかし通りすがりの犯罪、例えば男が金属バットで少女に殴りかかった事件のようなことに不運にも出会えば、自分自身の身を守り、一人でも被害者を減らすために技を使うことを恐れない。鍛えて強くなった手を、大きな愛で弱い立場の人に差し伸べなければならない、というのが、武道の心です。

 道場にはいろいろな職業の方がおられ、もちろん足立区民、弁護士、介護事業所長、マグロ漁船のおじさん等。“自酒?練”や“肝?稽古”と、異業種交流できる豊かな場でもあります。

 人の痛みを知る思いやり、謙虚さを常に忘れず、文武もとい文政両道で、これからも頑張っていきたいと思います。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS