2017年02月17日 1465号

【福島原発刑事訴訟支援団が1周年集会 歴史的な裁判で東電幹部の犯罪を明るみに】

 福島原発刑事訴訟支援団は1月29日、都内で「1日も早く裁判を!支援団結成1周年集会―福島原発事故の真実を明らかに―」を開いた。

 海渡雄一弁護士が今後始まる刑事裁判の意義について解説。「検察審査会の議決による強制起訴は政府事故調や検察の描いてきた構図を一変させた」と指摘した。15・7メートルの津波対策は、念のための試算などではなく、東電として対策の内容を詰めるための準備だった。また、東電幹部の間で「津波対策は不可避」と認識されていたことが株主代表訴訟で幹部の機微情報メモによって明らかにされ、役員としての重過失を証明できる見通しとなっている。検察官役の指定弁護士はこうした資料を駆使し、勝俣恒久元会長ら旧経営陣3人の刑事責任を立証する予定だ。

 賛同人としてスピーチした映画監督の鎌仲ひとみさんは「(放射能の)被害がどれほどのものなのか日本ではしっかり理解されていない。ベラルーシではチェルノブイリ事故から30年経った今も5万人の子どもたちを対象に保養事業が行われている。避難しないと多様な病気が出てくる。誰も責任を取らなくてよいというモラルの瓦解がここから始まる」と訴えた。

 審理の開始は、東電による引き延ばしと裁判所の公判前整理手続のため遅れている。検察官役の弁護士は遅くとも3月中に第1回期日を指定するよう求めている。

 刑事訴訟支援団の会員は3千人を超えた。1万人に向けさらに加入を呼びかける。歴史的な裁判開始の態勢が準備されつつある。

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