2017年03月24日 1470号

【もんじゅ西村さん不審死事件 東京地裁 遺品返還請求を棄却 主敵・動燃を引きずり出そう】

 動燃(動力炉・核燃料開発事業団)職員だった夫、西村成生(しげお)さんの不審死の真相を究明したいと妻、トシ子さんが起こした遺品返還請求訴訟で東京地裁は3月13日、請求をすべて棄却する不当判決を言い渡した。

 判決は、遺品をいったん警察が預かっていた事実を認めながら、「(成生さんの)事故は19年も前に発生したもので、しかも、事件性がないものと処理された。通常、事件性がない事案では、遺品は直ちに遺族に返還されるか、廃棄されるものと考えられる」と被告の主張を丸呑み。ずさんな捜査・遺品管理を免罪した。

 報告集会で大口昭彦弁護士は「事件性と向き合うことから逃げた無内容で横着な欠陥判決。しかし、裁判所が逃げたところにわれわれが問題にすべき攻撃点がある。事件性、鑑定、法医学上の問題を控訴審で追及していく。最も悪いのは動燃。主敵である動燃を引きずり出し、裁判の相手として粉砕しなければならない」と述べた。

 原告の西村さんは「犯罪被害者給付金を申請し棄却されたが、そのとき警察の実況見分調書や捜査記録、公安委員会の弁明書が出された。国会議員を通じてそれらを資料請求できないだろうか」と提案。「去年暮れ、もんじゅを廃炉に追い込むことができた。この裁判がなければ今年も予算を付けていたのではないか。裁判の意義は大きかった。みなさんの支援をいただいてここまで来れた」と語った。

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