2017年04月28日 1475号

【沖縄・南西諸島を標的にするな 4・29、30ZENKO集会を成功させよう 美しい島への基地建設に驚き怒り ZENKOが沖縄・宮古島訪問】

 4月29日大阪、30日横浜の「沖縄・南西諸島を標的にするな〜宮古島市議・石嶺かおりさん、楚南(そなん)有香子さんを囲んで〜ZENKO集会」を控えた4月11〜12日、2017ZENKOin東京実行委員会2名が宮古島現地を訪れた。その一人川島実穂さんに現地の状況と集会の意義を語ってもらった。

Q 宮古島の現在の状況は

■ 関西空港から2時間半、初めて触れた宮古島の印象は、まずとても静か、緑が濃い! 宮古島市の面積は約204平方qで大阪市より少し小さく、総人口は約5万5千人。山が少なく一番高い野原岳でも標高110bほど。川もなく、飲料水源はすべて地下水に依存する世界的にも珍しい島です。海に土が流れ出ず、白砂のため透明度がとても高く、沖縄一海が美しいといいます。曇りでしたが、サンゴの白色が透き通る海の色はとてもきれいでした。

 最初に向かったのは、島のほぼ中心、野原岳のふもとにある緑一色の巨大な航空自衛隊宮古島駐屯地。空自といっても滑走路はなく、レーダーサイトで周辺国の電波を傍受、分析する日本最西端、最南端の空自基地。島のほぼどこからでも見える巨大な基地で、戦時になればこのレーダーサイトが真っ先に攻撃の的になるかも知れないのです。

 そこから車で数分のところに、陸上自衛隊ミサイル新基地候補の千代田カントリークラブ(営業中のゴルフ場)がありました。陸自部隊700〜800人で警備、地対空ミサイル、地対艦ミサイルを配備するとして、2016年度内にこの土地の購入契約をする予定があがっていました。

 巨大なレーダーサイトのこんな近くにミサイル基地をつくるのか。しかもここは台湾、中国大陸がすぐ隣。島の繁華街では、豪華客船から降りてきた台湾の旅行客がショッピングを楽しんでいる。中国・台湾の観光客を呼び込みながら、ミサイルはそちらに向いているなどあり得るのか―。帰って来てからも思い返すほどに頭が混乱しました。

Q 4・29、30集会に向けて

■ そんな宮古島で陸上自衛隊配備反対の声を上げる石嶺かおりさんと楚南有香子さんに会って話を聞くことができました。私はお二人が登場する映画『標的の島』の印象を挙げ、「子どもを背負ったあなたたちが、勝手に基地受け入れ表明する市長に『あわせてください』と迫るシーンで、市の職員が『帰れ!』とカメラの前でも平然と暴言をはいていたのが、信じられない」と問うと「あれが普通だと思っていた」とのこと。

 安倍政権は自衛隊配備を「抑止力のため」とし、「自衛隊が来れば災害救助の役に立つ、雇用も増える」と説明しています。平時でも平然と女性・子どもを追い払うのに、いざ有事となったら自衛隊や安倍政権と一体化した行政が住民を助けるはずもない。そう簡単に想像できました。宮古島のお母さんたちは、子どもが真っ先に犠牲になることをいつも肌身に感じながらこの小さな島で声を上げ続けているのです。

 そんな中で、「最初は活動するお母さんたちが少ないと思っていたが、みんな不安な思いはある。自分たちのように子連れで夜の集会にまで出て活動するところまではできない人が多いだけだとわかった」「自衛隊の人も人の役に立ちたい≠ニいう思いは同じ。災害救助隊を新設し、宮古島をその訓練拠点にして世界にいつでも災害救助に行けるエキスパートを増やし、緩やかに武装解除していきたい」と思いを聞きました。宮古島を平和の島として、島の人たちもアジアの人たちもみな一緒に生きていく方向を具体的に探りながら、日々様々な妨害にも負けず明るく闘っている2人から大きな勇気と希望をもらって帰途につきました。

 大阪・横浜のつどいを会場満杯で成功させることが、宮古島・南西諸島の人たちと一緒に自衛隊配備をさせないために闘う大きな一歩になります。みなさん、ぜひ2人の思いを直接聞きに来てください。

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