2017年05月05・12日 1476号

【沖縄辺野古 護岸工事投石強行を糾弾する 新基地反対の民意揺るがず 諦めない#暴力の団結を】

今度は車とタンクに銃弾

 4月14日、恩納村安冨祖(おんなそんあふそ)の米軍キャンプ・ハンセン内の安冨祖ダム工事現場で、車両と水タンクが破損、タンク内や車両付近で銃弾らしき物が発見されたと工事関係者から村へ連絡があった。

 基地境界のゲートから水タンクまで約100b。6日に上部と底の2か所に銃弾の穴が発見され7日に米軍の現場検証。13日には工事車両の助手席ドア下部分に銃弾のようなものでえぐられた跡が2か所発見された。安冨祖集落から400bしか離れていない。

 14日に石川署が現場を一度確認したが、県の池田基地対策統括監は基地内に立ち入ることができず現場を見たのみ。またも米軍優先の現実「基地の壁」が立ちはだかる。

 米軍基地内で発生した事件事故でも、日米地位協定上は被害が日本人やその財産だった場合には日本側に第一次裁判権がある。だが、県警によると米軍演習中の流れ弾の可能性が高いとみられ、「公務中の事件事故」として米軍側が第一次裁判権を持つ公算が大きく、「日本側で立件することは非常に困難」「損害と銃弾の結びつきを明らかにすることから始める必要がある」となお事実確認の段階だ。

 17日には恩納村の長浜村長と宮里安冨祖区長が沖縄防衛局中嶋局長に原因究明と再発防止を求め、在沖四軍調整官事務所に抗議した。いつまで命が脅かされる理不尽な事件が繰り返されるのか。

またも自民の沖縄ヘイト

 安倍政権の閣僚や自民党幹部の暴言が止まらない。4月23日のうるま市長選前に、安倍・自民党古屋選対委員長は、オール沖縄から立候補した山内スエ子候補の小中学校給食費無料化公約について「詐欺行為に等しい沖縄特有の戦術」と県民を愚弄した。沸き起こる批判に対し、古屋は「客観的事実を言ったまで。撤回する意思はない」とつっぱねた。「沖縄特有の」とはどう意味か。それこそが沖縄蔑視、差別の安倍政権の姿勢を表したものだ。

違法護岸工事に着手

 政府は4月25日午前9時20分、埋め立て護岸工事の石材投下開始を強行した。美(ちゅ)ら海≠破壊する暴挙は絶対に許されない。強く糾弾する。

 沖縄防衛局は14日までに汚濁防止膜の設置を終え、当初、17日にも護岸工事着手の方針だった。だが、石材投下をすれば県民の強い反発は必至。うるま市長選(4/23)への影響を恐れて延期し、「市長選挙も終えたことから工事に踏み切ることにした」(4/24琉球新報)と強行したのだ。

 しかし、そもそもこの護岸工事は違法行為だらけだ。

 まず、埋め立てに伴う岩礁破砕許可は3月末で期限が切れ、新たな申請もない。

 沖縄防衛局は2015年、環境監視等委員会の環境保全措置に関する資料にサンゴ類が分布する海域で着工前に移植を行うことを明記していた。にもかかわらず、4月17日、周辺海域保全策について「サンゴの移植は実施していない」と文書回答。現在も県の立ち入り調査を拒んでいる。

 また、防衛局は護岸近くの海岸で工事に使用する仮設道路建設のため重機で栗石(くりいし)(土木建築用の直径10〜15センチぐらいの石)を敷き詰め、鉄板を敷く作業を進めている。鉄板は工事車両運行のために敷設するもので、当初計画にあった「仮設道路」を県への変更申請もしないまま運用しようとする違法行為だ。県からの質問に対し、沖縄防衛局は「パネルを一時的に敷設しているだけで、仮設道路ではない」と強弁している。

 翁長(おなが)沖縄県知事は「事前協議にも応じず護岸工事を強行したことは許し難い。環境保全の重要性を無視した暴挙だ」と厳しく批判した。即時中止へ、知事の埋め立て承認撤回が今何より必要だ。

県民調査で辺野古反対61%

 県民の反対意思は揺るがない。4月25日着手当日に発表された県民意識調査で、「辺野古移設に反対」は61%、安倍政権の埋め立て開始姿勢に「妥当でない」は65%に上る(沖縄タイムスなど)。



 投石強行に対し、シュワブゲート前では「我々はあきらめない」「さんごの海をつぶすな」と座り込みが続く。

 水曜、土曜の総行動には300人程度が結集し、機材搬入のトラックなどを阻止している。だが、他の平日は市民が機動隊のごぼう抜きで排除され、80台を超す工事関係車両が入構する状況だ。車両は止められなくても市民の抵抗で入構時間を大幅に遅らせ、工事スケジュールを遅らせていることは間違いない。水曜日以外の平日のさらなる行動参加が呼びかけられている。

 また、海上でも十数名のカヌー隊がフロートに近づくだけで一時拘束される事態が連日のように続いている。

 闘いに連帯するZENKO参加団の訪問は5月にも予定されている。新基地護岸工事即時中止へ連帯を強めよう。この国の民主主義を取り戻すため、安倍政権を一日でも早く打倒することが求められている。  (4月25日、H)

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