2017年05月05・12日 1476号

【カジノ、万博、森友も安倍と一体 戦争と新自由主義の維新は追放】

 日本維新の会(維新)の松井大阪府知事と吉村大阪市長は、地下鉄民営化をはじめカジノ、万博の大阪誘致など、安倍政権と結託し戦争と新自由主義政策を進めている。府民の税金と資産を食い物にし、大企業優先で府民の生活に目もくれない維新を追放しよう。

万博招致も安倍が後押し

 安倍政権は、大阪の万博誘致を正式決定し、維新・松井は、博覧会国際事務局に立候補を届け出た(4/24)。安倍と維新の一体ぶりの象徴だ。万博の大阪招致は、13年に維新・橋下がぶち上げて以降、遅々として進まなかった。ところが、昨年5月松井が菅官房長官と会談。ここで「カジノを中心とした統合型リゾート(IR)」―「夢洲(ゆめしま)構想」を示し、突如として夢洲が予定地に決定する。以後、10月に万博大阪誘致の政府有識者検討会が基本構想案を了承、3月には報告書決定とトントン拍子だ。

 カジノも同様だ。カジノ導入構想は、大阪では09年に橋下(当時府知事)が掲げたが、カジノ推進法は廃案、再提出を繰り返す。「万博とセット」を目指す松井にとって、25年万博に間に合わすには昨年末の国会がタイムリミットだった。それが安倍の強行採決で成立した。

 維新は、万博、カジノへの後押しと引き換えに安倍政権とタッグを組み、ともに改憲を目指している。維新幹部自ら、「官邸は大阪でのIRも大阪万博も実現するつもり。憲法改正で協力してくれというメッセージだ」と語っている(16年10/29毎日)。

 他方、大阪で保育所・幼稚園をはじめ公共サービスの民営化を進める維新は、地下鉄民営化を3月大阪市議会で議決。政府が民営化後も地下鉄事業に交付税措置を確約したことを受け、自民党市議団が賛成に回ったためだ。しかし、地方交付税は自治体事業が対象であり、民間会社の事業に交付税措置を継続するなど本来ありえない。これも安倍・維新のタッグ効果だ。

 こうした安倍と維新の関係は、森友問題も同じ構造だ。「国家のために命を差し出せ」と教え込む森友学園に共感する安倍は松井知事と一体となり、大阪府私立学校審議会での森友学園小学校認可も異常なスピードで進められた。

 まさに根は一つだ。

府民の税金を巨大利権に

 維新の新自由主義政策を制度的に保障するのが「大阪都構想」だ。大阪市を廃止し、その権限と財源を奪い、「ワン大阪」の名による上意下達の意思決定で、カジノ・IR施設や大阪万博誘致、それに絡む大規模開発、民営化に巨額の税金をつぎ込む。

 そもそもカジノ構想を持ち込んだのは、09年発足の「大阪エンターテイメント都市構想研究会」。会員企業には、大林組、鹿島建設、鴻池組などのゼネコンのほか、カジノ関連産業や電通、博報堂など15社が名を連ねる利権団体である。それに維新は呼応した。

 カジノ、万博、地下鉄の利権は巨大だ。カジノを核とするIR自体、数千億円規模の巨大施設。万博は会場建設費だけで1300億円(うち府市で400億円負担)、アクセス道路等に40億円、地下鉄中央線の延伸に640億円。さらにカジノ・IRの予定地30ヘクタールの埋め立てに50億円必要だ。また、大阪市営地下鉄は、16年度経常利益は370億円、累積黒字は約1200億円に上る。JRを除けば、東京メトロ、東武鉄道に次ぐ全国3位の超優良鉄道。府民の税金と利用で育てた鉄道を売り渡すのだ。

 一方、大阪府民は犠牲だけを強いられる。カジノは犯罪や多重債務等を誘発し、巨大開発事業、万博の巨額の費用負担がのしかかる。万博運営費の府の見積もりは、政府によって修正され90億円増の830億円となった。東京五輪の費用膨張を見れば、負担が2〜3倍にふくれあがることは確実だ。大企業には巨大開発で儲けを保障し、府民生活は都構想とカジノ・万博でどん底に突き落とされる。

都構想ゾンビ阻止は可能

 3月の大阪府・市両議会で、「都構想」のための法定協設置は継続審議となった。「都構想」はこりごりという府民の声は多数を占める。カジノは6割以上が反対だ(3/1朝日)。大阪市水道民営化条例は3月議会で廃案となった。「都構想」は、5月議会で法定協設置議案が否決されれば、来年秋の住民投票は実施できず頓挫し、維新はカジノ・万博推進の司令塔を手にできない。闘えば勝てる。都構想・法定協阻止の闘いを強め、安倍と一体で戦争と貧困を推進する維新を追放しよう。

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