2017年05月05・12日 1476号

【夏のIUCN調査に向けて/辺野古埋め立て撤回! オスプレイ訓練阻止へ/ジュゴン保護キャンペーンセンター】

 安倍内閣は名護市辺野古の新基地建設を焦っています。埋め立て承認の留意事項にある「実施設計の変更や環境保全の事前協議」を無視し、埋め立て土砂投入のための護岸工事を急いでいます。しかし、その土台となる鉄筋コンクリート箱である大型ケーソン(52b×22b×24b、7400トン6個)を設置するために国交省から技官を投入し海底ボーリングで地盤強度の追加調査をせざるを得なくなっています。沖縄県を無視するこれらすべての調査や工事は公有水面埋立法の違反です。

 沖縄県は違法な工事の差し止め訴訟と、埋め立て承認の撤回を急いでいます。オール沖縄は承認撤回を実現するために県民投票の実施を検討しています。私たちは埋め立て阻止に向け全力でオール沖縄の運動を支えます。

勧告・決議の履行を

 昨年9月、国際自然保護連合(IUCN)第6回世界自然保護会議(ハワイ)で決議20号「島しょ生態系への外来種の侵入経路管理の強化」が採択されました。辺野古埋め立て土砂に侵略的外来種の混入を防ぐための決議です。名護市議会は昨年9月28日に「4度のIUCN勧告・決議の履行を求める決議」を採択し、IUCN本部、日本政府、沖縄県に意見書を送りました。

 今年2月17日にIUCN本部から「決議20号にもとづき、日本政府の要請があれば、すべての主要な関係機関と協力させていただく」との返事がきました。沖縄県も、12月議会で私たちの陳情に「IUCNによる検証作業が行われる場合は可能な限り協力する」と答弁しています。

IUCN本部に要望書

 2月1日、日本政府はやんばるの森などを2018年世界自然遺産に推薦しました。2000年IUCN第2回世界自然保護会議での勧告2、72「沖縄島のジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナの保全」をふまえたものです。しかし、政府の推薦書には米軍北部訓練場の記載は一切なく、オスプレイ訓練の騒音や低周波などの環境影響を検討していません。外来種の対策強化を求めた決議20号も無視しています。

 SDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)などIUCN6団体は今年3月にIUCN本部、世界遺産委員会などに、世界自然遺産推薦地の視察(今年夏)に関する要望書を提出しました。(1)外来生物の専門家の同行(2)沖縄島視察に辺野古・大浦湾の追加(3)市民との意見交換の場の確保など。この要望事項を実現するために、4月21日に防衛省、環境省、外務省交渉で追及します。

重要な外来種対策

 埋め立て阻止は可能です。日米両政府に4度のIUCN勧告・決議を履行させることです。世界自然遺産の大敵は、侵略的外来種です。辺野古と世界自然遺産予定地は近隣地であり、辺野古での外来種対策は極めて重要なのです。だから、IUCN本部も心配しているのです。

 SDCCは2月から沖縄の環境団体などと新署名「沖縄ジュゴン、ノグチゲラ、ヤンバルクイナを守ろう」を始めました。4月アースデイ東京などで積極的に取り組みを進めます。5月、6月と東京、大阪で辺野古写真展とお話し会や第12回じゅごんの里ツアーを取り組みます。夏のIUCN現地調査にむけて、辺野古埋め立て阻止、オスプレイ配備撤回の世論を大きくしていきます。

(4月17日記、SDCC・蜷川義章)

(追記)4月21日、政府交渉をしました。防衛省では、約1年大浦湾でジュゴンが発見されていないことを、環境省の資料にもとづいて追及。防衛省はボーリング調査の影響を隠すために答弁不能となり、文書回答を約束しました。環境省では、名護市議会へのIUCN本部の返書について正式に政府に要請されていないと逃げを打ちました。また、IUCN現地調査で沖縄県や私たちIUCNメンバーとの協議の場を設定することを検討すると約束。次の闘いにつなげることができました!

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