2017年05月19日 1477号

【平和な世界へ命のリレーを/沖縄・南西諸島を標的にするな/てぃだのふぁ 島の子の平和な未来をつくる会/共同代表 楚南(そなん)有香子さんが訴え】

 1年前の痛ましい事件(うるま市在住の20歳の女性が米軍嘉手納基地内に勤務する軍属に殺害された事件)を毎日思い出している。世界中で命を脅かされている人がたくさんいる。本当に幸せと感じられる平和な世界へ命のリレーをつなぎたい。

 活動の原点は、沖縄民謡の『てぃんさぐぬ花』。三上智恵監督の『標的の島〜風(かじ)かたか』で娘に歌って聞かせるシーンがある。「鳳仙花が爪先に染みるように親の教えは心の大事なところに染みる」。その歌詞のように、親の生きる姿を指針にしてきた。

戦争の道を選ばない

 平和活動をしていた父は「平和の大切さを平和な時に叫んでいないと危機が迫った時に平和が一番と言える社会は作れない」と言っていた。子どもの時、命(ぬち)どぅ宝という言葉を聞いた。平和と命の大切さを体の真ん中に据えて生きていきたい。私が5、6歳の頃、父は『白旗の少女』のアニメーションを担ぎ、公民館を上映して回っていた。一緒に流れた映像に、広島・長崎の焼け野原となった街が映し出されている。目を閉じると映像が思い出される。こんな悲惨な光景を二度と繰り返さないことを父の姿から学んだ。

 子どもは未来そのもの。誰も命を奪ってはならない。安保関連法に反対するママの会の「誰の子どもも殺させない」のスローガンに心から共感した。今、北朝鮮や中国の脅威が叫ばれるが、それでも命は大事。戦争の道を選ばない。

 自衛隊の部隊800人配備の話が出た。父母は「いつかきっと軍隊がくる。許さないために今、活動している」と言っていた。はじめは200人、その後どんどん増え800人来ます、になった。どうしようか悩み、危機感が募った。目の前に戦(いくさ)の足音が近づいている。いても立ってもいられなくなった。

忍耐強く対話続ける

 (石嶺)かおりさんと出会ったのは「止めよう!『自衛隊配備』 宮古郡民の会」発足式。子連れで来ていたのが2人だけで、もっとお母さんが集える場を、と「てぃだのふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」を立ち上げた。

 どうやったら配備を止められるだろうか。反対反対と声を上げるだけでなく、両極端の意見の間にいる人たちの心をどうやったら動かせるか。やはり対話しかない。おととし12月、ピースウォークのイベントの最後のスピーチにこう書かせてもらった。

 「…私たちは忍耐強く対話を続けます。ミサイル基地配備受け入れ賛成の人とも、判断できず迷っている人とも、対話を続け、よりよい未来をつくる力に変えていきます。…それぞれの思いで今ここで生きていて、また、これからも生きていくために、どうか皆さん、思いをつなげていきましょう!…」

 去年2月、「次世代会議」を開催し、両派から話を聞く場をもった。「ミサイルを置くのは泥棒が入ってくるのを防ぐのと同じ。最先端のものを置くでしょう」。意見が相容れない。ただ、一つだけ共通するのが、宮古島は地下水がすべて、命の水はしっかりと守らなければいけない、ということ。こうした取り組みが当初の予定地・福山(大福牧場)撤回につながった。アクションを起こす、対話する姿勢をもつ、そのために力をつけることが必要だ。

地元でアクションを

 皆さんにやってほしいことは、民主主義を取り戻すこと。悪い人はいくらでも都合よくねじ曲げる。主権者として、自分たちの足元で、生活する村や町でアクションを起こしてほしい。

 一つは、各市町村に陳情書をぜひ出してほしい。自衛隊を配備する時、災害救助がうたい文句になる。福島や熊本や毎年のように自然災害があるのに、常設の災害救助隊がないのがおかしい。自衛隊の中から希望者を募り、消防庁に組み込むよう声を上げよう。素人の一市民でも、やればやるほど、次に何をすべきかが明確になる。

 もう一つ、防衛白書や防衛大綱を誰が決めたか。閣議決定だ。国民的な議論がないまま、オスプレイも南西諸島配備も決まってしまっている。武力か外交努力か、5兆円の軍事費か福祉・教育か。私たちに決定する権利がある。もう一回、一から、出だしのところからやり直してもらう。このまま防衛白書・防衛大綱が大手を振って歩いているような状況は終わらせる。ぜひ皆さん一緒にやってください。

(5面に関連記事、石嶺かおりさんの訴えは次号に。編集部の責任でまとめました)

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