2017年05月26日 1478号

【1478号主張 排外主義と軍事緊張を拒否 改憲・戦争突出の安倍打倒】

仏・韓大統領選の民意

 5月7日フランス大統領選決選投票で、極右政党・国民戦線ルペンは大差で敗北した。9日の韓国大統領選では、文在寅(ムンジェイン)が朴槿恵(パククネ)前政権継承候補らを破り当選。民衆は排外主義と戦争路線を拒否した。

 フランス大統領選第1回投票では、新自由主義に明確な反対を掲げる左翼党のメランション候補が5年前より大幅増の20%近く得票し、民衆の社会変革への意思を体現。そうした意思が力となり好戦的人種差別主義者ルペンを敗北させた。だが、ルペンの得票は34%に上り、当選したマクロンは根っからの新自由主義論者だ。6月の国民議会選挙で、極右勢力伸長の阻止、新自由主義反対勢力の統一と前進が決定的に必要だ。

 韓国では、財閥のための規制緩和で市民に犠牲を押しつけ腐敗した朴前大統領を民衆の闘いが罷免に追い込んだ。政権交代を求める世論の下で、「公正、朝鮮との対話」を掲げる文政権が誕生した。朴政権退陣緊急国民行動は「選挙は変化の終わりでなく始まり。人権・正義・平等・平和の国をつくるのは大統領ではなく市民」(5/10)と声明を発した。この力が、文大統領に「条件が整えば平壌も訪れる」と語らせ、習近平・中国国家主席と朝鮮の核問題解決のための6か国協議の早期再開で一致させた。

 極右排外勢力の台頭を阻む国際的すう勢をさらに強め、新自由主義反対、平和と緊張緩和への流れを揺るがぬものにしなければならない。

改憲と戦争への暴走

 こうした潮流に逆行する安倍の改憲・戦争路線推進は突出している。トランプ米大統領ですら「朝鮮との直接対話」(5/1)の意向を表明する中で、安倍は朝鮮のミサイル発射を口実に脅威と緊張を煽り続けた。自治体に危機対策本部を開催させ、学校に通知させ、東京メトロなど鉄道運転停止措置までとった。自衛隊艦船による米軍防護など戦争法の発動を進めた。

 さらに、安倍は憲法9条に「自衛隊合憲」を明記する20年改憲施行を表明。無制限の海外派兵と武力行使をもくろむ。火事場泥棒同然に戦時体制と軍拡の合意形成を狙う。

 この戦争体制づくりを象徴するのが、共謀罪と沖縄新基地建設、南西諸島への自衛隊配備・増強だ。安倍は5月8日、辺野古で「K9護岸」工事を強行再開した。1bもある基礎工事用の砕石を10回以上も投入。海は破壊の危機に直面している。安倍が法も無視して辺野古新基地に執着するのは、将来の自衛隊使用により南西諸島への1万人規模の自衛隊配備と連動して出撃拠点とするためだ。朝鮮脅威扇動、辺野古新基地建設と南西諸島軍拡―みな安倍の戦争政策であり根は一つだ。

共謀罪廃案と一体で闘う

 共謀罪法案は自公維新による衆院強行採決という重大局面を迎えている。共謀罪は、審議を重ねるほど、戦争と改憲のためにすべての市民を対象とする弾圧法の性格があらわになる。国会前では廃案を求める行動が連日続く。地域からの安倍退陣署名や共謀罪反対署名、ファクス、街頭行動で、改憲反対、共謀罪廃案、沖縄新基地反対、南西諸島自衛隊配備反対の声を広げよう。自治体議会へ請願・陳情を行おう。安倍政権を打倒しよう。

  (5月14日)
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