2017年05月26日 1478号

【沖縄・南西諸島を標的にするな 平和で安心して暮らせる未来を 宮古島市議、てぃだのふあ 島の子の平和な未来をつくる会 共同代表 石嶺かおりさんの訴え】

 今年1月の宮古島市議会補欠選挙で市議になった。

 20代前半は大阪で仕事し、障がい者運動などにかかわっていた。20代半ば、手仕事の世界に入り、宮古上布を習うために宮古島に一人で移住。そこで、夫と結婚した。織物の仕事や生活に埋没し、社会的なことは考えなくてもいいのかなと思っていた。

 1人目の妊娠中に原発事故があった。2人目が生まれたあと、2014年6月、200人規模の自衛隊が宮古島に配備される話があり、市長が了解した。自衛隊が守ってくれるという思いはなかった。400人になり、1年後に800人に。賛成・反対の陳情が出されたが、賛成決議が可決してしまった。

「止めなくては」の思い

 その翌日、3人目の妊娠がわかった。この島で育てていけるだろうか、と不安が大きかった。検診で子どもの心臓が動くのを見た日、スマホで安保法案の衆議院通過を知り、愕然とした。日本が戦争をすることと島に基地が建設されることが、とてもリアルに迫ってきた。主義主張ではなく「止めなくては」という切迫した気持ちだった。

 地縁・血縁があり、親戚に自衛隊の人がいたら声を上げにくい。島出身でない私は腹をくくれた。「てぃだのふあ」を立ち上げたものの、人が増えない。シールズのまねをして毎週金曜日、庁舎前で行動した。10〜20人ぐらいで増えない。動ける人も少ない。それでも、市長面談や請願、シール投票、いろんなことをした。

 続ける中で、地元新聞もまめに報道してくれるようになった。心の中で応援してくれる人がいることもわかった。「動ける人が動く。市長がいかにひどいことを言っているか、避難計画や地下水のことを考えていないか、事実を伝える。見る人は見てくれている」と思い、やってきた。

 安保法制と宮古島陸上自衛隊配備は車の両輪。「アメリカの艦船を護衛」といえば使うのはここだろう。宮古海峡に中国が来ることをアメリカは嫌がっている。止めるために挟み撃ちにして威嚇する。安保法制の成立は、中国が島に近づくと“存立危機事態”としてミサイルを撃てる法律を作ったということ。あいまいな事態でも攻撃できるようになった。

 自衛隊が海外で武力行使することの危険性は指摘されたが、国内での武力行使、その舞台が南西諸島になる危険性は軽視された。自衛隊配備問題の議論は国会前の運動でも聞こえなかった。きのう(4月29日)、JNNの『報道特集』で取り上げていた。やっと議論の場に持ってくることができた。

 千代田カントリークラブにはヘリポートや地下施設(指揮所)がつくられるとされているが、防衛副大臣は去年9月、「つくりません」と。「ミサイルは置くが、ミサイルの中に弾薬はつめない」という。弾薬が入っているかどうか、市民にはわからない。

 野原(のばる)の航空自衛隊では、市民に説明がなく地下工事がされていた。景観条例の書類を情報開示させたら、地下施設をつくっていることがわかった。昨年12月、市議の質問に市長は「把握していない」と答えたが、市は景観条例の許可を下ろしていた。

 防衛省がいかにいい加減なウソをつくか。オスプレイについても配備と運用を使い分け、「配備しません」と言って運用でどこでも飛んでいる。高江でも配備でなく運用だと言葉を巧みに使い分ける。南西諸島も配備とは決して言わない。

地下水を汚染させない

 戦争につながる可能性と合わせて地下水の汚染が心配だ。土壌汚染は地下水に浸透し、戻すことはできない。有害物質は沈殿する。飲料水だけを問題にするが、工業用水や農業用水は汚染されていいのか。汚染の可能性があればつくらせない。原発と同じで、楽観的な判断では未来は守れない。疑わしきは持ち込ませない。汚染の可能性、標的になる可能性が1%でもあればつくらせてはいけない。原発事故で学んだ教訓でもある。平和で安心して暮らせる未来を子どもたちに渡すことは、次の世代を生み育てる大人の責任だ。

 昨年度、千代田カントリーと大福牧場の土地取得などに108億円が計上された。今年度は310億7000万円の予算がついている。宮古島市の小中学校の給食費を全額無料にしても2億円。それに比べ、あまりに巨額だ。こんな税金の使い方をしていいのか。全国的な議論にし、根本から変えていきたい。

(4・30横浜集会での発言を編集部の責任でまとめました)

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