2017年06月02日 1479号

【共謀罪は必ず廃案/強行採決徹底弾劾/怒り/法務委採決時には1500人/夜には9000人以上が抗議/“いいね”が押せる社会を壊すな】

 共謀罪法案の衆院法務委員会採決を許さない。5月19日昼の国会前には1500人が詰めかけた。

 海渡雄一弁護士が報告する。「国連の特別報告者からきのう、日本政府に書簡が送られた。共謀罪法案には人権侵害の懸念がある、プライバシー保障の措置がとられていない、と批判している。これに応えられなければ法案の審議は進められないはずだ」

 午後1時すぎ、強行採決の一報が入った。「強行採決徹底弾劾」「共謀罪は必ず廃案」のコールがわき起こる。法務委員会を傍聴した女性は「審議のひどさに本当にがっかりした。これで採決するのか。圧倒的な数で押し切る。その場面を目に焼きつけた。民主主義は死んだ。でも絶対あきらめない」と語った。

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 夜は、3団体(共謀罪NO!実行委員会、総がかり行動実行委員会、安保関連法に反対する学者の会)共催の国会正門前行動に9000人以上が集まり、抗議した。

 立憲野党・会派があいさつ。共産党の小池晃書記局長は「4党国対委員長が『委員会差し戻し、審議やり直し』を確認した。野党は結束し、安倍政権を倒そう」、社民党の福島みずほ副党首は「法務委員会は採決ですらない。もう一度、徹底審議を求めよう。韓国ではお友達への便宜供与で大統領が辞めた。安倍総理と共謀罪を国民の力で葬り去ろう」と呼びかけた。

 葛野尋之(くずのひろゆき)一橋大学教授が法案の危険性を分かりやすく解説。「日常生活の中に捜査権限が深く浸透する。『準備行為』は日常生活の普通の行為で成り立つ。張り込み・聞き込み・尾行・写真撮影、任意捜査が『計画』段階から始まり、『準備行為』の発見で逮捕・捜索・押収、強制捜査に転換する。他者と共同して行う社会的な活動、考えること自体を委縮させる。少数・反対意見が消え、賛成意見一色に。意見の多様性を尊重する自由で民主的な社会の基盤を切り崩し、テロが狙うものと同じ専制国家がもたらされる」

 止めよう!辺野古埋立て国会包囲実行委員会、雇用共同アクションなどがアピールした。最後に、共謀罪NO!実行委員会から行動提起。参院審議入りを許さない国会行動や5月31日の日比谷野外音楽堂大集会を成功させ、法案成立阻止に力を集中することを誓いあった。

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 その後も、「未来のための公共」による抗議行動が夜遅くまで続いた。若者のコールの合間に、京都大学の高山佳奈子教授、反原連のミサオ・レッドウルフさん、上智大学の中野晃一教授らがマイクをとる。安保関連法に反対するママの会の女性の「民主主義を崩壊させるクーデターを共謀している人が国会にいる。民主主義の国がメールをのぞき見しますか。意見が違う人がいて当たり前の社会、健全な社会を私たちに返して」の訴えにひときわ大きな拍手がわく。「”いいね“が押せる社会を壊すな」。ドラムの速いテンポに乗ったコールが国会前にこだました。



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