2017年06月02日 1479号

【ZENKO沖縄参加団報告/権力の横暴に屈せぬ座り込み/1分1秒遅らせば勝利は見える】

 5月15日。1972年「本土復帰」から45年が経過したが、基地に囲まれた沖縄の現実は変わっていない。

 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前には、早朝から150人の市民が集まった。この日は排除されないよう麻の紐(ひも)でお互いの身体をくくり付ける。8時半、機動隊による市民の排除開始。引き離そうと容赦なく引っ張り、紐が身体に食い込む。「痛い。痛い」と悲鳴があがる。混乱する現場で、機動隊ははさみで紐を切る危険な行動に出る。市民の安全よりも基地建設を優先した許しがたい行為だ。しかもこの日は初めて沖縄県警の交通規制担当も市民の排除に加わった。特別な日が警察権力により汚されたのだ。

 市民は権力の横暴に決して屈しない。月曜日は人が少なく普段は20分と持たないが、この日は40分以上も工事車両の進入を食い止めることができた。1分1秒でも工事を遅らせることで県政を変えてきた。国政を変え、その先に勝利が見えてくる。

 砕石などを積んだトラック16台、クレーン1台、コンクリートミキサー車4台の計21台が進入を強行した。テトラポッド1個を作るのにミキサー車2台が必要という。工事がどの段階を迎えているのか、分析しながら闘っている。

 集会では「岩礁破砕許可の申請も行っていない違法な工事だ。正義は我々にある」「2100万立法メートルのうち、福岡から700万立法メートルが搬出されるのを阻止する」など力強い発言が続く。

 高江現地行動連絡会の仲村渠(なかんだかり)さんは「高江のヘリパッドもずさんな工事で完成していない。米軍はいまだにヘリパッドを使用していない」と報告。座り込み10周年を迎えるが、7月からの工事再開に警戒を強めている。

 どんなに機動隊や海保の暴力があってもあきらめなければ必ず辺野古新基地建設は阻止できると実感した。6月の沖縄連帯行動に参加しよう。

(ZENKO関西実行委員長・田中拓真)

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