2017年06月09日 1480号

【戦争法と一体の共謀罪は絶対廃案/6月連続国会包囲行動へ】

参院審議に500人

 戦争体制づくりのために市民の口をふさぐ共謀罪法案は絶対廃案に。5月29日、参院審議入りの日の国会前に500人が結集し、「衆議院での採決無効」「参議院で成立させるな」と声を上げた。

 総がかり行動実行委員会の高田健さんが主催者あいさつ。「安倍内閣は本当にひどい。森友の籠池さんを徹底的に個人攻撃し人格をおとしめ、加計事件では前川前次官が新宿のどこかの店に行っていたとリークし前川さんを潰そうとする。これが内閣のやることか」と憤りつつ、「全国のみなさんの闘いによって4月末と言われていた衆院通過をここまで遅らせた。世論も変化し、安倍内閣を押し込んでいる。残る20日間の会期中に法案の説明が十分にできないときはその責任をとって今国会を閉じなければならない」と強く求めた。

 初めて昼間の国会前行動に参加したという練馬区在住の女性は「地域では駅頭署名活動、独自に作成したリーフレット5万枚ポスティングなどに取り組んできた。国会包囲行動の6月10日は午前中、練馬で前段集会を開く」。共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会の加藤健次弁護士は「衆議院の最終段階で『明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)』が加わり、8団体になった。若い弁護士があちこちの学習会に出かけ、エネルギーをもらっている」と闘いの広がりを報告した。

 参院審議山場の6月13〜16日を「高原闘争」と位置づけ、昼(12〜13時)議員会館前行動、午後(13時半〜16時)座り込み、夕(18時半〜)日比谷野外音楽堂集会または議員会館前行動に連日取り組むことが提起された。




労働法制改悪とも

 5月24日には、日比谷野外音楽堂に2500人が集まり、労働運動と市民運動が力を合わせて労働法制の改悪と共謀罪の創設に反対しようと連帯集会を開いた。

 海渡双葉弁護士が共謀罪について、棗(なつめ)一郎弁護士(日本労働弁護団幹事長)が労働法制について情勢報告。民進・共産・社民各党が連帯あいさつし、自由党はメッセージを寄せた。作家の雨宮処凛さん、全国過労死を考える家族の会代表・寺西笑子(えみこ)さん、総がかり行動実行委員会・高田健さん、雇用共同アクション・伊藤圭一さん、平和フォーラム・福山真劫さん、NPO法人ほっとプラス代表理事・藤田孝典さん、エキタス・古賀勇人さんが壇上に立った。

 寺西さんは「繁忙期で月100時間、休日労働含めて年960時間の残業を特例で認める政労使の案は、過労死にお墨付きを与える。命より大切な仕事はない」と訴える。古賀さんは「サービス残業や非正規労働が野放し。将来の夢やあるべき社会をじっくり考える余裕を奪っている。高校時代、社会の不正義に心を痛めていた友人が大学生になり、掛け持ちバイトの苛酷な状況の中、社会運動には意味がないと言うようになった。劣悪な労働環境が友人の豊かな感性を奪った。最低賃金1500円、長時間労働の規制が民主主義に息を吹き込む。共謀罪も人びとが話し合い行動することを押さえつけるもの。どちらも、私たちが人間らしく考え行動し、人間らしく生きるための課題だ」。人間らしく生きられる社会へみんなで手を携えようとアピールした。

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