2017年06月23日 1482号

【デービッド・ケイ特別報告者/「表現の自由」に関する対日調査報告書(要旨)】

X結論と勧告

 日本の民主的基盤をさらに強化するために、特別報告者は建設的関与の精神で以下の勧告を行う。

A.メディアの独立性

 政府の干渉の法的根拠を取り除いてメディアの独立性を強化するために、放送法4条の撤廃を勧告する。独立した放送メディア規制機関の枠組みを進展させることを強く要請する。

 公共放送や民放および活字メディアは、編集活動に直接的であれ間接的であれ圧力がかからないように注意しなければならない。特に、沖縄の基地問題や原発災害、第2次世界大戦における日本の役割など、センシティブな調査するジャーナリストの支援に注意を払わなければならない。

 メディアの自由と独立は、ジャーナリストたちのより強い連帯なしには確保できない。

B.歴史教育に対する干渉

 学校の教材における歴史的解釈に介入しないよう政府に求める。第二次世界大戦中に日本が関わった深刻な犯罪について国民に知らせる努力を支援することを求める。教科書検定について政府の干渉から守る方法を検討すべきである。

 「慰安婦」問題を含む過去の重大な人権侵害に係る公開情報を検証していくため、政府は「真実の権利」国連特別報告者の訪問招請を検討すべきである。

C.選挙運動とデモ活動

 公職選挙法を国際人権法に準拠させるために、政治活動に不当な制限を課す規定を廃止するよう求める。

 沖縄での抗議活動に向けられた圧力を特に懸念している。公権力は国民に不均衡な処罰を科すことなく、公共政策への反対を表明する自由を侵害されずに抗議や取材を行えるよう努力を行うべきだ。

D.特定秘密保護法

 政府に対し、報道関係者の業務に萎縮効果を与えないよう特定秘密保護法の改正を促す。日本の国家安全保障に危害を与えない国民の関心事項である情報を開示しても処罰されないことを保障する例外規定を含めることを奨励する。専門家を擁する独立した監視委員会の設置を求める。

E.差別とヘイトスピーチ

 政府に対し、広範に適用される差別禁止法を制定するよう要請する。

F.デジタル権利

 (略)

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