2017年07月07日 1484号

【子どもの貧困って?すべての子どもが豊かに、いま育つために 6・10あだちのつどい】

 6月10日東京足立区で、子どもの貧困を考えるつどいが開催された。

 「子どもの貧困対策」のウソと自治体の役割≠ニして、足立区議の土屋のりこさんが報告した。2014年の「子どもの貧困対策の推進に関する法律」施行に伴って施策策定がすすめられたが、足立区の実態は「野菜を食べよう、朝ご飯を食べよう、歯を磨こう」(未来へつなぐあだちプロジェクトより)というもの。育英資金貸付事業はあっても給付ではなく成績要件も高く、全く不十分と強調した。

ホッとできる子ども食堂

 続いて足立区内で子ども食堂を行っているTさんが報告。

 Tさんは元保育士で、子どもが中学生になった昨年9月から子ども食堂を始めた。スタッフのほとんどはママ友という。食堂に来る子どもたちには、お金は満たされていても心が満たされていない子もいて、貧困はどこにでもあると感じている。地域では悩みや問題があってもそれを見せないことが美徳という風潮に問題を抱いている。その中で、月に1度でも夕食を作らずにわが子とゆっくり食事をし、家に帰ってから少しでも子どもに向き合える時間ができるなら、子ども食堂をやる意義はある。利用者が喜んで食べてくれることで、スタッフ自身も励まされ、元気が出る。将来は利用者自身が自立できるサポートを目指していきたい―とのことだ。

 食堂にかかわるスタッフのNさんは母子で食堂を利用している。フルタイムで働いたあとに食堂へ行くと雰囲気が明るくホッとできる。子ども食堂は安全で大事な場所だと感じている。

 2人の報告を聞き、子ども食堂は地域の親子の居場所であると同時に課題も把握でき、地域がつながる源になる貴重な場であることがわかった。

 1歳児を持つ足立区在住のHさんは、昨年6月子どもが3か月の時に職場復帰し、今年4月からは公立保育園に通っている。すでに認証保育園に通園していたので若干の加点があり公立に入れたが、友人は入園の基準が満点でも公立の保育園に入れなかった。現実は厳しいと実感している。働きながらの子育てで食事が一番大変。近所で子ども食堂をやっていることがわかったので、行ってみたいと語る。 参加者からも、足立区の実態がわかりとても勉強になったなど感想が多く寄せられた。

ZENKOで地域の子育て論議

 最後に、7月30日2017ZENKOin東京で開催される「子どもの生活や居場所、子ども食堂から考える地域での子育て」を紹介した。この分科会では、待機児童問題や長時間保育、食事が満足に取れない子どもらの貧困問題の中で、地域で取り組む居場所作りや子ども食堂の実践を出し合い、見えてくる社会的な問題は何か、心が通い合う豊かな子育てのために何ができるか、を話し合いたい。

 皆さんぜひご参加を!

(子ども全国交歓会・関東 藤平りつ)

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