2017年07月14日 1485号

【フェアコープ奮闘中(52)新しい働き方を作りだす】

 5月3日の憲法集会をはじめ、大きなイベントが終わり、暑さが日々増してきました。新鮮安全な食品を扱う者としては、ありがたくない季節を迎えています。

 さて、宅配業者に関してはクロネコヤマトをはじめ、働くドライバーの労働条件が大きな問題となっています。長時間労働や残業代の未払いなどに改善への策が講じられつつあるのは良いことなのですが、料金の値上げが利用者に向けられるとなれば、思いは複雑です。私もお米や野菜などの配達やルート配送の仕事を請け負っていますので、宅配労働者の置かれている状況が改善されることに異議はないばかりか、夜遅くまで働く同業者に我が身を重ねることもなくはありません。

 一方、フェアコープの事業は仕入れのほとんどを宅配便に依存しています。秋田のお米、北海道の水、高知の野菜はその仕入れや個配に宅配便を利用しています。したがって、料金が値上げされるとなれば、一挙にその影響を受けるという構造になっています。すでに値上げの通知が次々と送られてきています。値上げ分を商品価格に転嫁することができるのか、消費税導入、消費増税の時に多くの中小業者が苦しんだことが今自らに突き付けられています。当面は「企業努力」で対処しようと思いますが、早晩何らかの対応に迫られることになります。

 7月29、30日に「2017ZENKOin東京」が開催されます。世界の平和を求める人々と連帯し、99%の市民が安心できる社会を作り出すための討議・交流の場となります。二日目に行われる分科会(13)「99%が立ち向かう仕事づくり&雇用拡大―協同組合運動」に私も参加します。

 労働者が主人公となる事業体をいかに作っていくか、仕事と雇用を作り出すための実践交流の場です。安倍内閣の「成長戦略」や「働き方改革」が破綻していることは明らかですが、それに対置する様々な取り組みが持ち寄られます。宅配業界の問題も社会の在り方を変えていかなければ解決できません。同時に、どんなに社会に貢献できるかと考えてもそれが事業として成り立たなければ、実を結びません。

 株主総会のニュースが報じられています。東芝やタカタなどに対する社会の関心も低くはありません。株主やオーナーのための株価が評価基準に置かれる限り、企業の体質も、そこで働く人々の生活も変わっていかないことは明らかです。

 新しい働き方、民主的な職場をどう作りだすか。とりわけ未来を担う若者と一緒に考えていきたいと思います。協同組合運動に関心のある方もぜひご参加ください。

  (東京事業所 佐々木透)
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