2017年07月28日 1487号

【ZENKOに参加 韓国・希望連帯労組に聞く 非正規職闘争を先頭で闘う 日韓の日常的連携交流を期待】

 2017ZENKOin東京には、昨年に引き続き韓国・希望連帯労働組合から多くの組合員が参加する。来日を控えた同労組に、ムン・ジェイン新政権の政策や評価、ZENKOへの期待などを聞いた。問い合わせと返信に協力いただいた、なかまユニオンとオ・ソヨンさん<フル・プロダクション>に感謝します。

◆ムン・ジェイン政権の発足についてどう評価しますか。

 この政権は、キャンドルと広場の熱望によってつくられた。不平等と格差を解消し、差別と排除を断ち切ることがキャンドルと広場の要求だった。過去の政権は労働、障害、平和、性少数者問題を度外視して社会的弱者の問題提起を押さえつけた。一方、ムン・ジェイン政権は一定部分、社会的議論を進めて合意を推進できる意志があると考える。

 ムン・ジェイン政府は中道保守政権として限界があり、根本的な問題解決や大きなレベルでの進展を遂げるというより、一歩前進、一定程度のレベルで進展があるものと見る。民主労組と進歩陣営は、ムン・ジェイン政権の限界を挙げ、これを闘争で克服し、何よりも主体的な力量の拡大・強化に力を注がなければならない。組合員を大量に拡大し、各領域・各地域で代案社会の建設のための主体形成に努めなければならないし、またそう努力する。

◆就任後約2か月で注目すべき政策は。

 労働政策の最も重要な原則として「常時継続業務の正規職化」を提示し、公共部門からこれを施行している。ムン・ジェイン式の正規職化が労働条件をどれだけ改善するかよく見なければならないが、政策の基調は素晴らしいと評価することができる。

◆特に非正規職撤廃、最低賃金引き上げの姿勢について。

 青瓦台(大統領官邸)に「働き口」委員会を置き、企業が非正規職を正規職化するよう誘導するというのが政府の考えだ。そのための政策も提示している。最低賃金についても、2020年までに1万ウォン(約1千円、2017年現在6470ウォン<約640円>)に引き上げるとしている。政府がこのように事業者を誘導して段階的に最低賃金を引き上げることについて合理的だとする評価がかなりある。

 しかし、今後、対立点、和解不可能な点が起こるだろう。政府が主導する「仲裁」と「社会的合意」は、最終的に「権利の妥協と後退」に帰結されるからである。

◆民主労総は6月30日社会的ゼネストを行いましたが、希望連帯労組は今どのような闘いに取り組んでいますか。

 6・30社会的ゼネストは、民主労総史上初めて非正規職課題で非正規職労働者が主導したストライキだ。「最低賃金1万ウォン、非正規職撤廃、労働組合結成の権利」は今、非正規職労働者共通の要求である。

 希望連帯労働組合は、間接雇用非正規職闘争の先頭をきって◇元請け交渉権◇元請け代替人材投入禁止◇下請け交代時の雇用・勤続・団体協約継承などを要求して闘っている。職場と労働条件を改善すると同時に、本当の「社長」である財閥大企業に直接雇用正規職化を要求している。通信大手のSKブロードバンド外注労働者が闘争を通じて子会社直接雇用への転換を進行中であり、ケーブル放送デイライブ外注業者も段階的直接雇用を進めている。

◆ZENKOでの連帯、交流に期待するものは。

 状況と争点を共有することはもちろんのこと、社会運動が持続するためのアイデアについて一緒に考え分かち合いたい。特にZENKOの交流を媒介として、日韓両国の地域間の日常的な連携交流を推進できればと思う。一種の草の根の連帯、下からの連帯のきっかけになればと思う。

 そのような点で、今回のZENKOには、希望連帯労組が生活文化分野で連帯しているソウル城北(ソンブク)区の地域団体が一緒に参加する計画だ。今後、東アジアの反戦・反核・平和運動、社会運動のための草の根の連帯に発展してほしい。

 
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