2017年07月28日 1487号

【寝屋川 平和と市民自治の会 講演会で加憲の凶暴さを確認 動き出した改憲¢j止へ】

 7月9日、寝屋川市民会館で「動き出した改憲―その狙いを考える」集いを持ちました。これは、「平和と市民自治の会」が主催し、「希望のクラブ」の協賛を得て開いた講演会であり、地元の電通大教員・中里見博さん(憲法学者)の講演を聴く企画でした。

 2020年に改悪憲法を施行させると公言するアベ政権は、4年前に「第96条を先行して改正する」策を弄(ろう)したものの、異論続出で立ち消えになった。翌年、解釈改憲で集団的自衛権=安保法制を導入する試みを進めた。その第3弾が改悪憲法の施行であり、中里見さんは要点を詳しくまとめて解説して下さり、改憲の狡猾さが暴露されました。

 第9条の1項、2項を残したままで新たに自衛隊の存在を明記する、と単純そうに見える策謀の中に、実はとんでもないことが隠されている。既に自衛隊は集団的自衛権を行使が可能で、それを憲法に加憲するだけで全面展開へ進むことができる。しかし、第9条2項【陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない】が活きている限り、集団的自衛権は部分行使に留まる。実際に、憲法に自衛隊は記述されていないので、政府は自衛隊ができることを一つ一つ説明しなければならない。9条2項は「自衛隊が軍隊でも戦力でもなく、国を防衛する為の必要最小限の実力」に制約して、未だに強い規制力を持っている。ところが、現状の自衛隊を明記することで「国際法に基づき/自衛の為」との理由で集団的自衛権の部分行使から全面展開への道を開き、専守防衛からの逸脱を許す結果になる。加憲とは9条2項を死文化するもので、9条に3項を付け加える陰謀は現行憲法の平和主義を踏みにじる意図を秘めている―。

 たった一行の文言が日本を「戦争できる国」に変える、加憲は共謀罪より以上に凶暴であることが中里見さんの講演で明らかにされました。

危機感表すメッセージ

 この講演を受けて、参加者はアベ政権の退陣と野党共闘を推し進める決意を固めることができました。「はじめは加憲ぐらいはええのかなと思っていたけど、先生の話を聞いて絶対だめとわかった」との感想が寄せられ、また各自の主張をメッセージボードに書いて発表し合い、「アベはいま直ぐ止めろ!」「改憲のその前に、沖縄で施行されているアベ憲法」との危機感が表明されました。

 主権者としての市民自治を進展させて改憲阻止との発言もあり、電通大院生や元全逓労組の人達の参加も得て、動き出した改憲≠阻止する闘いを寝屋川で始動する契機を作れました。

(大阪・寝屋川 平和と市民自治の会・大同敏博)

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