2017年07月28日 1487号

【井戸川裁判第7回口頭弁論/“原爆と同じ生活を脅かす原発の放射能”】

 「民をだまし大地と海を汚した東京電力と政府の責任を問う!!井戸川裁判(福島被ばく訴訟)」の第7回口頭弁論が7月12日、東京地裁で開かれ、大法廷の傍聴席が埋まった。

 先立つ地裁前集会で原告の元双葉町長、井戸川克隆さんは「平穏な生活を脅かすのは核爆弾だけではない。原発の放射能も武器であり、絶対に許せない。世界中の放射能に苦しむ人びとも同じ思いだろう。こんなものを『大丈夫』と言っているのはそれを糧に儲けている連中だけだ。勝つまでご支援を」とあいさつ。

 法廷では原告側が準備書面を提出し、前橋地裁判決で過失責任が明確にされたにもかかわらず津波は「想定外」とする被告の反論を「失当」と厳しく批判した。

 報告集会には約150人が参加。古川元晴弁護士や作家の広瀬隆さんが報告した。古川弁護士は「進行協議で法廷を小法廷に変える話も出ていたが、今日は『なぜいっぱいになったのか』と聞かれ、井戸川さんは『関心の高まり』と答えた」と紹介。準備書面の解説では「被告は津波予測を採用し想定すべき義務があった」と強調し、「マスコミも予見の可能性は言うが、義務であることには触れない」と述べた。広瀬さんは「原子炉立地審査指針(89年3月改訂)で原発をつくってはならないところにつくっている。次の原発事故は過失ではなく“未必の故意(積極的に意図はしないが、結果として自らの行為が実害を生んでもかまわないとする心理)”による悪質な犯罪だ」と訴えた。

 井戸川さんは加計学園問題にふれて「町長時代に前川前事務次官とはよく会ったが、誠実な方で信じている」と、自らの立場と重ねて真相究明に期待を寄せた。

 次回口頭弁論は10月4日。

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