2017年07月28日 1487号

【市民と野党の大結集で安倍打倒/市民連合緊急シンポジウム】

 7月12日都内で、「緊急シンポジウムSTOP安倍政治ー改憲を許さない市民集会」(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合と総がかり行動実行委員会の主催)が開かれ、900人が参加した。

 主催者あいさつは総がかり行動の高田健さん。「安倍改憲は前倒し。早ければ来年8〜9月にも発議される。“総がかりを越える総がかり”をめざし、11月3日かつてない大規模な国会包囲行動と原水爆禁止3000万署名に匹敵する全国統一署名行動を提起したい」

 基調講演では、立憲デモクラシーの会の山口二郎さんが「政治危機と私たちの選択〜憲法と民主主義を守る大結集を」の主題で熱弁。国家の私物化と専制国家化の進行に警鐘を乱打する一方、都議選の自民大敗はアベ腐敗政治への怒りの健全な発露とし、「脱原発知事を誕生させた新潟県知事選のように争点が明確になれば投票率は上がり、市民を代弁する候補に投票する。3分の1の改憲阻止にとどまらず2分の1の政権交代の迫力をもった野党と市民の大結集が必要」と反転攻勢を訴える。

 その後、パネルディスカッションに移った。パネリストは長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授、香山リカ・立教大学教授、佐藤学・学習院大学教授。

 香山さんは民進党・蓮舫代表の二重国籍問題の大騒ぎを批判。「戸籍は最高のプライバシー。開示の必要はない。差別であり許さないと言ってほしい」。長谷部さんは「二重国籍を世界の半数の国は認めている。戸籍は一つは思いこみ」、佐藤さんも「何の問題もない。過敏な反応が怖い」と基本的人権の尊重で対抗する必要性を強調した。

 山口さんは「安倍打倒は前々段階。多様性・個人が尊重される社会に変える展望が大事」と指摘する。“9条に自衛隊明記”の安倍改憲への同調者をどう説得するか、議論は白熱した。「アベ的3項追加は1・2項を無効にする。とんでもない」と山口さん。長谷部さんは「自衛隊を憲法に書き込まないことが歯止め」。最後に山口さんが「負け続け、暗雲垂れ込めていたが、“人間を大切に!まともな社会を!”。久々に前向きに語れる」とまとめた。

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