2017年07月28日 1487号

【新日鉄住金ソリューションズ セクハラ訴訟/第1回口頭弁論で原告女性が陳述/“被害者面するのはやめてほしい”】

 システム開発大手の新日鉄住金ソリューションズを相手に、セクハラ・パワハラのあげく雇い止めされた女性が雇い止め無効などを求めた裁判の第1回口頭弁論が7月10日、東京地裁であった。

 原告女性が意見陳述。会社側代理人は加害男性の氏名の秘匿を要望し、裁判所も名前を言うなら陳述はさせないと事前に通告してきていた。しかし、女性は「実名を出すなという要請は拒絶します」ときっぱり。「裁判が公開で行われるのは分かったこと。実名を出し、堂々と反論したらよいではないか。被害者面するのはやめてほしい」

 裁判長の制止に対し、女性は「イニシャルならいいですね」と陳述を続けた。「元気に会社に行き、楽しく仕事をする。当たり前のことがすべて奪われ、おまけに病気に。もはや人権侵害だ。被害者が涙ぐましい努力をして死ぬ気になって抵抗しないときちんと対応してもらえない。裁判を起こさないと恨みを晴らせない。そんな会社のあり方はおかしい」

 報告集会で、原告側代理人の河村健夫弁護士は「陳述できたのは予想外。よかった。この事件は企業の危機管理の大失敗として後世に語り継がれるだろう」と語った。

 次回口頭弁論に先立ち9月5日午前10時、地裁民事第36部で弁論準備が行われる。

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