2017年08月04日 1488号

【平和と民主主義をめざす京都市民の会 シール投票に反響広がる 給付制奨学金制度実現を】

 地域変革を通して安倍内閣退陣、改憲阻止、人間らしい社会を作り出す取り組みは各地に広がっている。「平和と民主主義をめざす京都市民の会」は、奨学金問題を柱に夏から秋への連続企画を開始する。代表の小山田春樹さんから呼びかけが寄せられた。

深刻な奨学金問題

 京都に暮らす学生は約14万人。これは6万5千人の東京を抜いて日本一です。しかし、国公立大学でも4年間に少なくとも約240万円、私立大学では400万円超と、高すぎる学費が若者の生活と将来に立ちはだかっています。経済的に豊かでない家庭の子どもは、意欲や能力があっても大学に進学できません。どうしても進学したい時に頼りにするのが奨学金で、学生の2人に1人が利用しています。

 しかし、日本学生支援機構による奨学金は、貸与型奨学金(教育ローン)制度です。例えば、月10万円借りた場合、大学卒業時に無利子でも480万円の返済義務、つまり借金が残ります。非正規雇用が多くなり、正規雇用でも賃金が安い現状では、奨学金の返済は容易ではありません。滞納すると、年5%(少し前までは10%)の延滞金を課せられてしまいます。

若い世代が投票参加

 こうした現状を打破していこうと、「平和と民主主義をめざす京都市民の会」(「小山田春樹と京都市民ネットワーク」から改称)は、給付型奨学金制度の創設、教育の無償化実現を重点政策の一つに掲げて活動を開始しました。

 7月16日、京都市民の会例会で奨学金問題の学習会が開かれました。杉谷伸夫向日(むこう)市議が講師を務め、大学学費の推移、貸与型奨学金制度の問題点、諸外国の給付型奨学金などについて学びました。

 17日には、阪急西院駅前で、給付型奨学金と学費無償化についてのシール投票を実施。市民の会メンバーの呼びかけに足を止めて投票に参加する人が多く、特に学生など若い世代の参加が目立ちました。この日の投票結果は、返済不要の奨学金制度創設に賛成73、保留1、反対2。学費の無償化に賛成63、反対3。投票に参加した立命館大学卒業生で社会人2年目の男性は「月10万円借りていました。これから500万円近く返していかなくてはならないので気が重いです」と語っていました。

8・9月連続講演会へ

 京都市民の会では、夏から秋への連続企画として、8月19日、小山田春樹講演会「若者がいきいきと暮らせる京都を」、9月23日には沖縄なかまユニオン委員長・奨学金返済に悩む人の会沖縄代表の比嘉勝子さん講演会「希望するすべての若者へ無償の奨学金を」を開催。10月14日には、右京区で「月桃の花」歌舞団のフクシマとオキナワをつなぐミュージカル『ガマ人間あらわる』京都公演が行われます。

 私自身は、平日早朝に駅頭で演説、午前の時間帯にスーパー前などで演説を行い、京都市で給付型奨学金制度を創り、高校、大学の教育無償化を実現していこうと訴えています。休日には、安倍政権の退陣、共謀罪法の廃止などの署名活動をZENKO京都メンバーと共に行っています。

 講演会案内ポスター貼りの活動も始まりました。四条通の有名なラーメン店ご主人が「入り口に貼っていいよ」と快諾してくれるなど反応は上々です。

◆8月19日(土)14時〜17時
元日本テレビアナウンサー小山田春樹と語る集い「若者がいきいきと暮らせる京都を」 ラボール京都(右京区・西院駅徒歩5分)

◆9月23日(土)13時〜15時
比嘉勝子講演会「希望するすべての若者へ無償の奨学金を」 東山いきいき市民活動センター(東山区・東山三条駅徒歩7分)※15時〜17時相談会

☆連絡先:080―4821―8199



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